後悔□秘密 ページ11
そう。それで何回後悔してきたことか。
けど僕には新しくない朝を選べる義務はないけど権利がある。
それに、こんな至高に使い勝手のいい物有効活用しないはずが無い。例え、ぼっちという代償を払ったとしても…。自分の部分的な完璧主義がくすぐられたのか、無駄に大きく顔を出しては主張してくる。
そう。だから自分の友達ができる未来を生贄に捧げたことだし、毎日ベストを尽くして生きているつもりだった。
僕はそこまで考えてから、モコモコのスポンジで捌ききれない程の量の皿を洗う手をようやっと止めた。
ベストを尽くしているなら、なぜ今僕はモストロラウンジで働いてるんだろう…。
□
事の始まりは僕のヘマからである。
…テストが終わった次の日の授業中、皆一様に一段落つき緊張から解放されやんわりだらける時期だ。
くぁ。とつい大きな欠伸をしてしまい、教壇の上のクルーウェル先生に鋭い横目で見られた気がする。
少しびくつくが、浮かんでいる涙まではサングラスのおかげで見られなかったはずだ。
時間操作を繰り返すと少し体調に支障をきたす。テストの前後あたりは本当に見逃して欲しい。
先生は教卓の後ろを靴を鳴らして右へ左へとカツカツ行き来した。ただその仕草をしているだけなのに、何故か怖い。威嚇されてるみたいで。
「仔犬共、今日は合同授業だ。だがーーー」
…ゑ?…死刑宣告か…?
合同授業…つまり、いつものペアでは無くなる。今まで調合が下手くそな僕とも共にやってくれていたイグニハイド生君は他クラスの所へと消えてしまった。
クル先がまだ言葉を続けているが、内容が一ミリも頭に入ってこない。もう、思考停止ってやつだ。
のっぴきならないまま一点を見つめて固まっていると、皆ペアを作り終わってしまった。
もしかして : 奇数
目の奥に三途の川が彷彿と現れ、向こう側で誰かが手を振っている。そのまま川を渡ってしまおうかー…と妄想していても、しかし悲しきかな現実。今は錬金術のお時間である。先生のサーチライトからは逃れられないのだ。
「何をモタモタしている。ペアを作り次第、片方は材料を片方は鍋を準備しろ」
鞭をビシィ!と慣れた手つきで床にふるい落とす。このややアウトローSM教師をどうしてくれよう。
恐怖を超えて呆れ始めていると、僕の体を全て覆ってしまうような大きな影が落とされた。どこか気の抜けたような、でも要注意人物なのは周知の声だ。
「アレ、鍋準備してねーの?」
僕は目をかっぴらいて見上げた。
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サジャ(プロフ) - 毎回楽しみに見ています!作者様のペースでこれからも更新頑張ってください!毎回見ていてとても楽しいです! (2022年2月15日 0時) (レス) @page24 id: a6f9474135 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ふねぬい | 作成日時:2022年2月6日 22時