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12個目の嘘 ページ13

「お待たせしました」



「貴女の部屋を用意したので此方へ。」






そう言う彼の一歩後ろを歩き、着いていく

それにしても、この廊下…どこも薄暗い。
暗いのは得意な方じゃないから正直憂鬱である





…そういえば、彼の隣にいる人は誰なのだろう
髪が長い…、男の人…?
頭に包帯?布?を巻き付けて……そう、所謂タァバンみたいな感じで頭に巻いているけれど……






「彼が気になりますか?」




じっと長い髪の後ろ姿を見ていると、それに気づいたドストエフスキーは私をちらりと見てそう言った







『まあ…そうね…、気になると言えば気になるけれど…』




そっと目線を長髪に向けて見ると、タァバンを巻いた長髪のその男もこちらを見る
彼は私と目が合うとニコリと微笑んで会釈をした






「初めまして、私はイワン・ゴンチャロフと申します」

「主様から、2ヶ月の間、貴女の用事は聞くよう仰せつかっていますので、どうぞよろしくお願い致します」





「何かあれば、彼を呼んでください」


『は……、はあ…、わかったわ…。』






ものすごく礼儀正しいその姿勢に、少々圧倒される
なんだか、まるで執事みたいな、そんな印象

それにしたって、何かあればと言われても…、
一通りなんでも自分で出来るわけだし、ゴンチャロフと名乗った彼の力は借りずとも大丈夫そうなのだけど……


なんだかそんなこと言える雰囲気でもないし、大人しく返事をしておいた



そんな会話が終わったあと、すぐに目の前のふたりは足を止めた






「此処が貴女の部屋です」




ドストエフスキーが私を見てそう言うと、
ゴンチャロフは扉を開け、扉の横に立つと深く頭を下げた





『へえ………』






なんだ、今さっきまでいた部屋よりは幾分か綺麗だ
ベッドも真っ白いシーツに覆われているし、クローゼットも傷みが少ない
最低限のものしか置いていないことに変わりはないけど、掃除もされているようだ
…まあ、床や壁に関しては察していたけど。


それでも2ヶ月の間過ごすには悪くない部屋







「何か必要なものがあれば、ゴンチャロフに用意させます」



『いえ、今はまだ大丈夫そう。ありがとう』








……なんだか随分と待遇が良い気がする…
この拠点の雰囲気のせい…?

それとも執事みたいな男がいるから…?
無駄にソワソワする環境である


何にせよ過ごしやすいに越したことはないから良いのだけど





まあ、ゴンチャロフを頼るかどうかの話は別として。

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ミィ - (´;ω;ノノ゙パチパチ (2021年5月18日 2時) (レス) id: d748bf27c1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミーヤ | 作成日時:2019年6月20日 22時

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