泣かないで、ジョングクくん (ページ8)

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非常に眠い。
もしや生前の私は相当な寝坊助だったのではなかろうか。

ライに叩き起こされやって来たのはこじんまりとしたビルだった。
半ば乱暴に実体化され、ぼさぼさの頭を手ぐしで適当に整える。

「これからどうやって、あの子に接触すればいいの？」

RY「安心しろ、手配済みだ。」

そう言ったライの声は、別の大声によって掻き消される。

男性「Aさん！」

振り返ればニコニコと笑って挨拶をしてくれる男性。
いや、誰だ。

RY「お前の現実での仕事の上司だ。」

「いや、だからその仕事内容を…」

小声で答えれば、目の前の男性にどうかしましたか？と首を傾げられる。

「い、いえ！何でもないです！」

ヘラヘラと笑って繕い挨拶を返せば、それ以上追求されることはなかった。

男性「早速ですが、メンバー全員集まってるので顔見せに行きましょうか。」

何が何だかわからないがとりあえず頷き、歩き出した彼の後を付いていく。

「ライ、何がどうなってるの…！」

男性にバレないよう、小声で話掛ける。
一体どこに向かっているのか。
そもそも、私が社会的にどんな立ち位置に振り分けられたのかわからない。

RY「対象者が所属するアイドルグループのマネージャーだ。」

「は…？」

アイドル…？
頭の理解が追い付かないでいると、目の前を歩いていた男性が立ち止まる。

そして彼によって開かれた扉の向こうには、昨日泣いていた彼を含む、数人の男の子達が居た。