泣かないで、ジョングクくん (ページ15)

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ジョングクくんは相変わらず元気がない。
周りもそれに気付いたようで、明るく話し掛けているが、彼の様子は変わることがなかった。

対象者だからとかそんなことは抜きにして、側でこんな状態の人が居たら気になって仕方がない。
居ても立っても居られず、練習終わりのジョングクくんに声を掛けた。

「ちょっと話さない？」

JK「いや…」

否定的な彼を無視して、その手を掴む。
意外にも抵抗せずにされるがままの彼。
そのまま、誰も使っていない空き部屋へ。

「ここなら大丈夫かな。」

JK「あの…何なんですか。」

「最近、考え込んでるみたいだったから…」

勢いで連れ出したものの、まだ関係性の浅い相手にどこまで踏み込んでいいのやら。

JK「…そんなことないです。」

悩みを打ち明けてくれない彼に、こっちが頭を悩ませてしまう。
どうしたものか、と両手をポケットに突っ込むと、指先に当たる固い感触。

取り出してみれば、それは初めて彼に会った時と同じ、ピンクの包装紙のキャンディだった。

「とりあえず、これ…」

キャンディを差し出すが、受け取ってくれない彼。

JK「要りません…」

「落ち込んだ時は、甘いものが一番だよ。」

言いながら、彼に無理矢理手渡せば素直に受け取ってくれる。

JK「落ち込んでるわけじゃ…」

「ジョングクくんが暗い顔してると、私もなんだか暗い気持ちになっちゃうの。」

そう伝えれば、漸く私の目を見てくれる。

「だから、何か悩みがあるなら話だけでも聞きたいな。」

暫く沈黙が続いた後、彼はキャンディを指で弄びながらゆっくりと口を開いた。