泣かないで、ジョングクくん (ページ2)

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やっと仕事が終わり、自宅へと帰って来た。
仕事の都合上、生活リズムは不規則で、お風呂と寝る為だけに家に帰っているような現状。

年頃とは思えない殺風景な部屋にため息をつきながら、ソファにどかっと腰を下ろす。

「ライ、いるんでしょ。」

何もない空間に声を掛ければ、ぽんっと軽い音を立てながら、ライが姿を現した。

RY「そんな大声で呼ばなくても聞こえてる。」

いつも通り無愛想に言葉を吐き捨てる彼。

「まぁまぁ、それより！早く今日の分頂戴！」

鞄からスタンプカードを取り出し、彼の目の前に差し出す。

RY「はいはい。」

呆れた様子で返事をされるが、気にしない。
彼の頭上にまたも突然現れたスタンプ。
それを操るようにライが両手を振れば、ぽんと音を立てて、カードにスタンプが押される。

「やったー！」

カードを見れば、漸く1段目の欄が埋まり切った。

RY「今日もお疲れさん。」

言動は荒いのに、労ってくれる彼の言葉にくすぐったくなってくる。
まだまだ空欄の多いこのカードをスタンプで埋めてしまうのが私の仕事、いや目的だ。

これを埋め切らなければ、私は生き返ることが出来ない。

ことの始まりはおよそ一ヶ月前。
交通事故に遭ってしまったあの日から全ては始まった。