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怯んではいけない。
わかっているのに先程から冷や汗と若干の震えが止まらない。
漠然とした恐怖を目の前の男性から感じていた。

「貴方が言う真実を、公にするんですか…」

SN「それはAさん次第です。」

どういう意味だろうか。

場所を移しましょう、そう言って立ち上がる彼。
店を出てそのままタクシーに乗り込む。

―――――――――――――――――――――――

たどり着いたのはホテルだった。
手続きを済ませた彼のあとを何も言わずに付いていく。
先程から嫌な予感が止まらない。

部屋の扉が閉まるやいなや、突然抱き寄せられ体をまさぐられる。

「何するんですかっ…」

抵抗をすれば簡単に逃れることが出来た。
先程のような笑顔ではなく、ニヤつきながら彼は鞄からボイスレコーダーを取り出し再生する。

聞こえてきたのは目の前のこの男と母の声だった。


SN『5年前の出来事について詳しく聞かせて貰えますか。』

母『私から話すことは…なにも…』

SN『本当はユリさんが亡くなったのではないですか?』

母『そんなこと…』

SN『Aさんが苦しんでいることを私は知っています。真実を、話してください。』

母『Aが…』

SN『彼女を助けてあげましょう。』

母『Aを……あの子にもうこんなこと…やめさせたいです…』


ぶつっと切られた音声。
私以上に母は限界だったのか、とても苦しげに話す声だった。
思わず頭痛がしてくる。

SN「もし君が誰かに私のことを話したことがわかれば、すぐにこの音声を公に流す。」

その言葉を受け、私はそっと上着を脱ぎ服を床に捨てた。

SN「話がわかるようで良かった。」

そのままベッドに押し倒される。
私を同時に襲う不快感と虚無感。

くだらない、くだらない、くだらない。
こんなことの為に私を脅すのか。

目蓋を閉じ思考回路をシャットダウンしようと努める。
それなのに、なぜかユンギの顔が浮かんでしまった。

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土星(プロフ) - (≧∇≦)さん» 作品を読んでくださり、感謝します。気分を害すなど、とんでもないです!少しでも楽しんで頂けたようでしたら、嬉しいです。コメントありがとうございました! (2020年12月3日 17時) (レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
(≧∇≦)(プロフ) - 土星さん» そうなんですね!…失礼しました…とても詩が心にくるものだったので、もしかしたら何かの詩を元にしたのかとかになりコメントさせていただきましたら。気分を害してしまっていたらすいません。とてもこの作品に感動しました。 (2020年12月3日 17時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)
土星(プロフ) - (≧∇≦)さん» この詩は一応、自分で考えたものです。でもよく書かれるような内容なので、既存の何かしらと似てしまったのかもしれません。 (2020年12月3日 7時) (レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
(≧∇≦)(プロフ) - この詩は何の詩ですか?なにか見た覚えもあるような気がして… (2020年12月3日 3時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:土星 | 作成日時:2020年10月21日 18時

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