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撮影も残りわずか。
全てのオファーを断っていたので、このドラマの撮影が終われば全ての仕事が終わることになる。

スタジオへ向かう途中、トイレから話し声が聞こえてきた。

『二股がバレたのによくあんな堂々としていられるよね。』
『わかる、どれだけメンタル強いのって感じ。』
『過去のことは確かに可哀想だけどね。』
『やっぱり調子に乗ってるんだよ。』

ああ、私の話か。
前にもこんなことがあったな、なんて思う。
顔を合わせないよう、その場を小走りで去った。

大丈夫、もうすぐ全て終わる。
痛む心に知らないふりをしてスタジオへ戻る。

平気なふりをしようとするのに、どうしても辛くて。
今すぐにユンギに抱きしめて欲しい、大丈夫と言って背中を撫でて欲しい。
そんな贅沢なことを考えてしまった。

―――――――――――――――――――――――

スタジオから帰ろうとした際、マネージャーがスタッフに呼ばれた為1人駐車場で待っていた。

足音がした為そちらを向くと、目の前には怒りから顔を真っ赤に染めた女の子が立っていた。
鋭い目つきで私を睨んでいる。

失敗した、そう思った。
1人で外に出るなと言われていたのに、スタジオの駐車場だからといって油断してしまった。

「えっと…」

女「なんであんたなんかが…ユンギオッパと…」

ユンギのファンか。
どうやってここまで入ってきたのかわからない。
とにかく逆上させないよう、どう接するべきか考える。

女「なんであんたが一緒に居られるのよ!」

そう叫んで掴みかかってくる彼女。
バランスを崩し、倒れこむ。
馬乗りになったまま彼女は大声で話し続ける。

女「最低!ユンギオッパを傷つけないでよ!」

なんであんたが、どうして!
そういった言葉を繰り返しながら私の髪を掴んでくる。
痛みに思わず顔が歪む。

女「どうして…あんな素敵な人を傷つけられるの…」

彼女は私がユンギと付き合ったから怒ってるんじゃない。
私が彼を傷つけた事実に怒っているのだ。

彼女の目から涙が溢れる。
それはまっすぐ私の頬に落ちていった。

騒ぎを聞きつけた数人の警備員から引き離される彼女。
目線が定まらず、ただずっと『どうして』と繰り返している。

MG「ユリ!」

駆けつけたマネージャーに手を借り立ち上がる。

「ごめんなさい…」

誰に向けてかわからない謝罪は、彼女の泣き声にかき消された。

私は彼に縋り、傷つけてばかりで。
彼を笑顔に出来たのはユリのふりがバレていない時だけだったんだ。

砂に埋もれた指飾り→←.



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土星(プロフ) - (≧∇≦)さん» 作品を読んでくださり、感謝します。気分を害すなど、とんでもないです!少しでも楽しんで頂けたようでしたら、嬉しいです。コメントありがとうございました! (2020年12月3日 17時) (レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
(≧∇≦)(プロフ) - 土星さん» そうなんですね!…失礼しました…とても詩が心にくるものだったので、もしかしたら何かの詩を元にしたのかとかになりコメントさせていただきましたら。気分を害してしまっていたらすいません。とてもこの作品に感動しました。 (2020年12月3日 17時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)
土星(プロフ) - (≧∇≦)さん» この詩は一応、自分で考えたものです。でもよく書かれるような内容なので、既存の何かしらと似てしまったのかもしれません。 (2020年12月3日 7時) (レス) id: fe9093fdaf (このIDを非表示/違反報告)
(≧∇≦)(プロフ) - この詩は何の詩ですか?なにか見た覚えもあるような気がして… (2020年12月3日 3時) (レス) id: d81d3472fb (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:土星 | 作成日時:2020年10月21日 18時

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