最年長には子供がいる

＊ (SC side) ページ24

・
さっきまでの賑やかさが嘘と思える程しんと静まりかえる部屋

口を開いたのはAだった

『ソウ！！！！』

その言葉は怒りを隠す様子もなかった。
思わずソウだけでなく俺たちの肩もビクリと跳ねる。

A…ソウは何も知らなかったんだからそんな怒らないでやってくれ。いくらなんでも可哀想に思える。

『ソウ…にに、人のもの勝手に触っちゃいけないって言ったよね。だめだよ。ちゃんと皆にごめんなさいしなさい。』

しゃがんでソウと目線を合わせて言ったAの一言に拍子抜けしてしまった。
怒るのはそこなのか、と。てっきり声を出したことや画面に映りこんだことを怒っているのだと思ってしまっていた。

チラッと周りを見ると、ほかのメンバーも思うことは同じようでぽかんとしたなんとも滑稽な顔をしている。


「だって…」

『だってじゃないよ。まずはわざとじゃなくても謝りなさい。』

俯きながら言い訳をしようとしたソウにハッキリとした口調で叱るA。

「みんな、ごめんなさい…」
『俺からも、ごめん。』

JS「僕達がみんな集まってるから気になっちゃったんだね、大丈夫だよ。」

2人の謝罪に対して返事をしたのはジョシュアだった。俺は何を言えばいいのか分からなくて固まってしまっていたというのに、咄嗟に声が出るのはさすがジェントルマンと言われるだけあるとおもう。

『反省しなさいね、ソウ。それで、ににも大きな声でお話しちゃってごめんね。目が覚めちゃったんでしょ？』

いや、Aは大きい声なんか出してない。大きい声を出してソウを起こしたのは…確実に俺たちだ。

SC「A…ごめ『もう遅いし、寝ようか！』」

俺の言葉を遮りそう言ったAはソウを連れて部屋を出ていく。
その背中を、引き止める術もなくただ見つめていた。


・


HS「クプスヒョン…俺のせいだ…。」
SC「いや、お前だけじゃない。俺もだよ。」

ホシとそんな会話をするとメンバーが次々と「俺も」「僕も」と謝り始めた。
空気は今までにないほど重く、最悪である。




ガチャ


先程ソウを連れていったAがまた部屋に戻ってきた。
『皆まだここにいたんだね、良かった。』
DK「ヒョン、僕うるさくしちゃった。本当にごめんなさい。」
『ううん、ソクミナ謝らなくていいよ。謝らなくちゃいけないのは俺の方。完全に俺の監督不行届だよ。』


本当に、本当に申し訳ない。
そう言って深く頭を下げるAの姿を、自分に襲いかかる罪悪感で見ていられなかった。

＊→←SNS

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す