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『うー、寒い寒い……』
ある日の早朝。はらはらと舞い降りる雪が頬にかかり、思わず顔を顰めながら呟く。
『もうこのまま、ずっと冬だったりして』
そう思ってしまうくらい、寒い日だった。
『…………』
歩く内に、いつもの場所にたどり着く。サーティーン先輩に私がいつも絡んでいた場所。私の「日常」が始まる場所。
『…………』
でもそこに、サーティーン先輩はいなかった。当たり前といえば当たり前だ。昨日あんなことがあったんだ。もう「日常」に、「いつも通り」に戻れることはないのだ。
「A」
ばさり。何かに包まれる感覚がして、耳元で聞き慣れた声がして、後ろを振り返る。
『先輩』
「ん」
私が微笑みかければ、先輩は恥ずかしそうな、決まり悪そうな顔をして私から離れる。
「…………わかってはいたけど、これ相当恥ずかしい」
『別に無理にやらなくていいんですよ？』
「いやでもよ、一度言ったことを取り下げるのって男としてどうなの？」
『そんなに言うなら別に止めませんよ。明日も頑張ってください、先輩』
「あーくっそ、めっちゃ恥ずい」
『んふふ……』
──「日常」は、昨日の時点で確かに崩れた。
でもそれと同時に、新たな「日常」が始まった。
「マジで勢いであんなこと言わなきゃよかった……」
『「俺もお前のこと好きだったのに、今までお前にばっか勇気出させて悪かった。その、明日からは、俺が勇気出すから！」でしたっけ？』
「わー、言わないで！ 忘れてくれ！」
『一生忘れられそうにありませんよ、先輩』
「日常」は、どんなに足掻こうともいつか儚く崩れ去る。それは揺らぐことのない事実だ。この新たな日常だって、桜が散る頃には崩れ去っている。でも
「ほら、さっさと学校行くぞ」
『はーい』
「あなたとの日常」は、何度も何度も形を変えながら、消えることなく私の傍にいてくれる。
Fin.
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パト(プロフ) - ドリメアンさん» リクエスト、書き終わりました。確認をお願い致します。何か至らない点がありましたら遠慮なくお申し付けください。この度は、書いていて楽しいリクエストをありがとうございました！ (2021年6月27日 10時) (
レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - ドリメアンさん» リクエストありがとうございます！ヤンデレですか……。書いたことはないのですが精一杯頑張って書かせて頂こうと思いますのでしばらくお待ちください。 (2021年6月13日 16時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
ドリメアン - リクエストです。零夜でヤンデレで他の男子キャラに追い詰められて夢主を別の世界に連れ去るのが見たいです。 (2021年6月13日 16時) (レス) id: 352fae32d2 (このIDを非表示/違反報告)
パト(プロフ) - かずさん» クールな零夜くんがただのヤバい人に……何をしているんだ私は。 (2021年5月3日 7時) (レス) id: 8ed95612e3 (このIDを非表示/違反報告)
かず(プロフ) - 零夜君！？ (2021年5月2日 23時) (レス) id: b2c4a9da46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：パト | 作成日時：2020年12月28日 18時
