【#コンパス】このカップル、なんかユルくない!?【零夜】

猫耳 ページ37

スミマセン遅刻しました！ 作中では本日が猫の日となっております！

＊＊＊

『ん、んんー、もう、朝か……』

　ぐっ、と一度、背伸びをする。欠伸を一つしてから、顔を洗いに、洗面台へ向かう。

『ん、水、冷たい……』

　言いながら、顔をあげる。鏡に映る、眠そうな私と、目が合う。そのまま、ゆっくりと、目線を上に上げた。

『…………え』

………
……
…

「あ、Aちゃんおはよう！」

『テ、テスラ、おはよう』

「あれ、Aちゃん、今日はパーカー着てるんだね！」

『う、うん、そういう気分、だったから』

「似合ってるよ！ ……でも、室内でフードはとったら？ マルコスや13じゃないんだからさ」

『あ、あはは……』

　そういう訳には、いかない。わざわざパーカーを着た意味が、なくなる。

「Aちゃん、テスラくん、おはよう」

「おはよう！」

『13、おはよう』

「2人で何か話してたの？」

『別に、にゃにも』

「……？」

「……？」

『……あれ』

　今、何か、変だった。

『……そうだ、2人とも。どこかで、ボイドール、見にゃかった？』

「見てないけど……」

「そんなことより、さっきからAちゃん変じゃね？」

『ん、だよね……』

　自分の喋る言葉に、なんだか、違和感を覚える。

「Aちゃん、ちょっと「なにぬねの」って言ってみてよ」

『テスラ、わかった。言ってみる。……にゃ、に、ぬ、ね、の……？ にゃ、にゃ……。あれ……？』

「……」

「……」

『言えにゃい……』

　さっきからずっと、「な」が言えない。なんで……？

「……Aちゃん、今日が猫の日だからってそんなに猫を意識しなくてもいいんだぜ？」

『13、わざとじゃ、にゃい』

「も、もしかして、バグ？」

『まさか……、あ！』

　もしかして、朝のあれ(・・)と関係してるんじゃ……

「……Aちゃん、ちょっと失礼」

『え……？ あ、ちょっと、13、にゃに、するの！』

　13が、私のパーカーのフードを掴んで、外してしまった。

「…………可愛い」

「さてはAチャン、コレ隠す為にパーカー着てたな」

『テスラ、13、あんまり、見にゃいで……』

　フードの下に隠していた、私の髪色と同色の猫耳が、あらわになる。……恥ずかしいから、隠してたのに。13の、馬鹿。

「くく……似合ってるじゃん……」

『13、肩、震えてる。絶対、笑ってる』

「わ、笑ってねーよ……。いひひ、腹いてー……」

『やっぱり、笑ってるじゃん』

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