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復活、勇者エイト ページ23

「良かった…ミーティア姫の想いが届いたのね…!」
「…全く世話かけさせやがって」
ゼシカが感動しながら手で涙を拭い、ククールがそっぽを向いて独り言のように呟く。
「よくぞ戻ってきた!それでこそ我が家臣…じゃなくて、我が息子(義理)じゃ!」
皆の瞳に涙が浮かんでいる事にエイトが気づき、自分が死んでしまった事を思い出す。
でもなぜかこうして瞳に何かをうつし、動いて、生きている。
確かに自分は死んでしまったと思ったのだが…。
「皆…?でも俺は確かに魔物に斬られて……。もしかして、ミーティアが…?」
エイトが一番近くにいたミーティアを見つめる。
ミーティアはいたずらっぽく笑ってうなずいた。
「私が魔法を使いました!今度はミーティアが、エイトを救いましたね!」
エイトが驚き、そして優しく笑う。
「ミーティアを助けるためにここに来たのに…逆にミーティアに助けられるなんてね。」
いつの間にか強くなった姫をエイトは優しい目で眺める。
昔は森に飛び出してはすぐ迷子になって、すぐ大泣きして…。
本当に困らされたものだ。
まぁ、それをあたふたとして見ていることしかできなかったのは自分なのだが。
やはりその時はトーポの存在が大きかった。
トーポがあのとき自分のポケットから飛び出してトロデーン城への道を教えてくれたのも、今では納得できる。
昔からずっと見守ってくれていた、トーポが…グルーノがいたから、今がある。
そして自分は母ウィニアと父エルトリオの期待に応えられているのだろうか。
今となっては聞くことも出来ないが…なんとなく二人が笑っているような気がした。
ポケットの中のトーポも。
「ありがとう、ミーティア。皆も」
エイトが立ち上がり、皆を見渡して言う。
「兄貴のためなら!地獄の底でもついていきますぜ!」
ヤンガスが堂々たる宣言を言い放つ。
「それは嬉しいけど、地獄には行きたくないな」
困ったようにエイトが笑って言うとヤンガスが焦ったように言う。
「もしもの話でがすよ〜」
皆に笑いが巻き起こる。
こうして皆で笑い合えるのがどんなに幸せか。
これから先もずっと皆と笑い合っていければいいな。
エイトとミーティアは同時にそう考えていた。
そして突然ハッとしてミーティアが叫ぶ。
「そうだ!エイトをさらった犯人は、誰ですか!?ミーティアは絶対に許しません!」
鋭い目つきで洞窟内を見渡す。
エイトもまわりを見渡すが、自分に話しかけてきたあの魔物は見当たらない。

怒り→←姫の想いの行方は



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作者名:如月フウカ | 作成日時:2018年4月28日 19時

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