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いざ、竜神族の里に続く道へ! ページ19

「責任を全部自分でかぶろうとするところが、エイトと似てるな」
ククールが先程から思っていたことを呟いた。
ミーティアがククールの意外な言葉にポカンとして彼を見つめる。
するとヤンガスが。
「そんな事言ったら、さっき月影の窓に手を伸ばした時のミーティア姫は兄貴そっくりだったでがす。性別は正反対なのになぜか似てたでがす」
自身の抱えていた疑問を話す。
すると今度はゼシカが手を上げる。
「あ、私も私も!ベホマズンを覚えちゃったり、ミーティア姫の真っ直ぐな目がエイトに似てると思った!」
ミーティアはいまいち状況を理解できていなかった。
憧れのエイトと自分が似てる…?
そんな事、考えた事もなかった。
トロデがそんなミーティアを見て笑った。
「人は自分と似てる人を好きになると言うしな。そう考えると、ミーティアとエイトは似てるのかもしれん」
ミーティアはあのドタバタ結婚式を思い出して赤面する。
チャゴス王子との結婚を破談にして見事エイトと結ばれたあの結婚式を。
「人の子は誰かを愛し、誰かに愛される事を望む。それはこの世に生を受けた時から定められたもの。…ミーティア姫のその強き『愛』にめんじて、私も願いを叶えよう」
ミーティアの心に宿る強い想いがイシュマウリに伝わったようだ。
イシュマウリは静かに口を開いた。
「竜神族の里に行きたいのですね?」
「はい。どうしても行きたいのですが、行き方が分からなくて…」
「そんなものは私の魔力を使えばたやすいこと。心優しき姫君に私の魔法を授けよう……」
イシュマウリが手を振るとミーティア達が優しい光に包まれた。
次の瞬間、一行は竜神族の里に続く道の目の前に、立っていた。
突然風景が変わり、ミーティアが何度も瞬きして驚いたが、イシュマウリの魔法だと気づき、落ち着きを取り戻す。
「いよいよね…。ここにエイトをさらった犯人が」
ゼシカが恨みを込めて吐き捨てるように言った。
「兄貴をさらうたぁふてぇやろうだぜ!ぶっ飛ばしてやる」
ヤンガスが燃えるような瞳を洞窟に向ける。
武器を振り回し、今にも洞窟に飛び込んでいきそうだ。
「どんな魔物だか知らんが、わしは決して許さんぞ!」
トロデはこう見えて、物凄く強い。木の棒一本で兵士達と戦ったことだってあるのだ。
「ひぃ、ふぅ、みぃ…よし。弓矢のストックはたりそうだな。それじゃぁ乗り込むか、お姫様」
ククールが弓矢の本数を数え終わり、ミーティアに目を向ける。

孤独な戦い→←月影の窓の先へ



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作者名:如月フウカ | 作成日時:2018年4月28日 19時

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