まもりのルビーと仲間『ヤンガス』 ページ11
道中サザンビーク城を通りかかり、近くに落ちていたなにかにミーティアが気づいた。
焦っていて二人は気づかなかったが、ミーティアは辺りを慎重に見ていたので気づけたのだ。
「二人とも待ってください!」
ミーティアの声に二人は止まり、振り返る。
ミーティアもその場に止まり、地面に落ちているなにかを拾い上げる。
それはまさにミーティアが依頼していた物だった。
「まもりのルビー…ミーティアが、エイトに頼んだ物です」
ゼシカはミーティアの言葉を聞き、冷静に答える。
「…ミーティア姫、そのまもりのルビーを大事に持っていてください。きっとあなたを守ってくれます」
エイトの想いが込められたまもりのルビーであるはずだから。
必ずミーティアを守ってくれるだろう。
ミーティアはうなずき、ポケットに入れる。
「エイトはこの辺りで連れていかれたみたいですね…」
「魔物め!決して許さんぞ!」
トロデが叫ぶ。
「もちろん。エイトをさらった事、後悔させましょう」
ゼシカはいたずらっぽく笑った。
三人はそのままパルミドへ向かった。
パルミドに入り、道を通ろうとするとあのゴールド要求男が立っていた。
ゼシカは話しかけようともせず別の道を行く。
そして探している仲間の情報を得ようと色んな人に話しかける。
その情報を頼りに進んでいくと一人の男が闇商人と話していた。
「ティアラが新しく入ったんだ。いるか?」
「いらねーよ!大体、誰がつけるんだ」
「ゲルダにあげたらどうだ?」
「それだけは絶対に嫌だね」
「あの…ヤンガスさん」
ミーティアはヤンガスに話しかける。
二人の男はポカンとして目の前の美少女を見つめる。
やがてヤンガスが口を開く。
「うっ、馬姫様…じゃなかった、ミーティア姫様!?なんでここにいるんでがすか?」
ヤンガスはそこでやっとゼシカ、トロデの存在に気づく。
「ゼシカのねぇちゃんにトロデのおっさんまで。…兄貴はいないようでがすが」
心底寂しそうにヤンガスは言う。
「エイトがさらわれたんです!ヤンガスさん、力を貸してください!」
ミーティアが大声で叫ぶ。
するとヤンガスは一瞬大声に目を丸くしてから、さらに内容に目を丸くする。
「あっ、兄貴がさらわれたぁ!?でも兄貴はそんなさらわれるような人じゃなかったはずでがすが…」
「私達の事を襲わない事を条件にエイトは一人で魔物についていったみたいなの。」
ゼシカが口を挟む。
「エイトが心配じゃわい!お前もついてきてくれるな?」
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作者名:如月フウカ | 作成日時:2018年4月28日 19時