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ソクジンさんは
やはり仕事で忙しいみたいだ。
メールも電話も来ない。
メッセージを送っても、
既読がつくだけで返事は来ない。
ソクジンさんに会えない日々は
寂しいけど、
それでも次に会う日のことを考えたら
ゾクゾクして、
結局私は前向きな気持ちになる。
何週間か前に
言われたナムジュンさんの警告は
私の中では無かったことになっている。
ソクジンさんが他人と変わっているのは
既に知っていることだし、
ソクジンさんの恋愛観で
苦しむことがあるのだとしたら
それは私ではなくて
ソクジンさん自身な
気がしたから。
ソクジンさんは私を支配したい。
私はソクジンさんに支配されたい。
ただそれだけのことなんだ。
大学4年の秋の終わり、冬の始まり。
就職先も決まって暇を持て余す。
ソクジンさんにも会えないし、
バイト漬けの日々。
今日もバイトが終わって、
コートを着て、
いつも帰る道を遠回りに帰ろうと
思ったら、
その人に出会った。
パーティー以来だから、
最後に会ってから1ヶ月も経っている。
.
.
.
TH「…あれ、久しぶりだね。」
『お久しぶりです、』
TH「もう、会えないと思ったよ」
『そうですね、』
TH「会えて良かった、」
.
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作者名:やきにくさん | 作成日時:2020年9月28日 0時