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NJ「……ソンさんは、」
『あ、AとかAさんって
読んでいただいていいですよ
私も、ナムジュンさんって
呼んじゃってますし、』
NJ「…いえ、社長からソンさんのことを
下の名前で呼ぶなと言われてるので」
ソクジンさん、
秘書のナムジュンさんにそこまで
言ってるんだ、
NJ「ソンさんは、社長の…つまり、
そういう…相手ですよね？」
『…え、？』
NJ「隠さなくていいです、
社長にそういう女性がいるのは
前から知っています」
『あぁ、』
NJ「そういう女性ができると、
このマンションに住ませるから」
単調に言うナムジュンさんの言葉に
私は苦しくなった。
この部屋には、
今までのソクジンさんの元「相手」
が暮らしていたんだ
NJ「僕は社長のことを尊敬してます。
社長ほど、分け隔てなく、社員のことや、
取引先の会社のことを考えて
仕事をする人はいないです。
多くの社長、起業家、海外の取引相手からも
信頼される仕事ぶりです。…でも、」
カチャン、と
ナムジュンさんが
コーヒーカップを置いて、
私をまっすぐ見つめた
NJ「ソン・Aさん、」
『………はい、？』
NJ「いいんですか、このままで」
『何のことですか』
NJ「詳しくは知らないですけど、
社長の元にやってくる女性は
みんな、全部捨てて、
全てを社長に託すような人達です。
うまく、表現できないな…、
社長に対して絶対的服従を誓っているような」
私の心の中でモヤモヤと
黒く暗く嫌な感情が
わいてきた。
お門違いにそんな話をしてくる
ナムジュンさんを恨んだ。
.
.
.
NJ「…僕は、ただ単に……なんていうか
あなたには、
そうなってほしくないから」
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2020年9月28日 0時
