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目が覚めても
体はピクリとも動かなくて、
起き上がる気力もなかった。
あんなに気持ちよかった行為は
今までで一度もなかった。
行為の後、約束通り
自分の部屋で眠った。
愛し合った後に
別々のベッドで寝るのは寂しかったけど、
仕方ない。
あぁ、そうだ、
それに私達は正確には
「愛し合って」は、なかったんだから。
ｺﾝｺﾝ
ノックして入ってきたのは
スーツを着て髪の毛を上げて
すっかり社長モードの
ソクジンさんだった。
手にはトレイを持っていて、
その上にはクロワッサン、フルーツ、ヨーグルト
紅茶、ミルクがあった。
JN「おはよう、眠り姫」
『……そんなに眠ってないです』
JN「ふふ、それもそうだね
朝ごはん食べて」
そう言ってベッドの上に食事を置いて、
ソクジンさんはその横に腰掛けた。
『契約書と違います』
JN「ん？何が？」
私に用意した朝食の
ブドウを１つ取って
ソクジンさんは口に含んだ。
『ソクジナって呼んでって。』
JN「………え？なんのこと？」
『覚えてないんですか？』
JN「うん、ごめん、全く覚えてない」
と言ってキョトンとする。
私だけ、覚えてたのか。
JN「僕とAさんは想像以上に
体の相性が良いみたいだ」
平気でシラフでこんなことを言える
ソクジンさんに羞恥心ってものは
ないんだろうか。
JN「で、来週の日曜日はどうかな」
『へ？』
JN「１週間に一度、
デートするって約束だったよね？」
『覚えてたんですか？』
JN「契約だからね。
でもデートする場所は僕が決めるよ。
また連絡する」
そう言って
上のジャケットを着て、
私のおでこに触れるくらいのキスをした。
JN「行ってきます」
体だけの付き合いだと言うわりには
ソクジンさんは
どうしてこんな甘いことをしてくるんだろう。
ソクジンさんは、
ズルい。
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2020年9月28日 0時
