【ONE PIECE】DEAD OR ALIVE (ページ10)

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『っ、船長ーーーー！！！』

いきなり目の前に現れた船長に感極まって首に手を回し抱き着くと｢くっつくんじゃねェ！！！｣と早口で怒鳴られてしまった。

それと同時に身体がぱっと宙に浮いた感覚。
重力に従い落ちる身体に、ふわっと浮き上がる内臓。
でも、それはほんの一瞬。
直ぐに身体はべしゃ、とヒビだらけの氷の上へと尻もちをつく。

『いたた、…船長！！なんでこんなことするんですか！？』

か弱い女の子を地面に突き落とすなどという無礼に当たる行為をしやがって、と睨みつけると上から仁王立ちで鋭く睨みつける船長。

｢どこがか弱い女だァ？ゴリラの間違いだろ、ばーか。｣

『っ、はぁ！？船長こそばかじゃないですか！？頭に脳みそじゃなくてババロアでもたっぷり詰まってんじゃないですか？』

｢あァ？｣

船長の言葉に怒りを隠せない私は痛むお尻も気にせずに素早く立って胸倉を掴むと、同じように掴み返される。…だけど船長との身長の差は約30センチ。私は船長の顔なんて高すぎて見えるはずもなくただ胸に向かって話しているようにしか聞こえず…。

船長もそのことに気づいたのだろう。
うるさ過ぎる口を閉ざしたと思えば、バカにしたように鼻で笑う。

｢お前、やっぱりチビだな。｣

『おい、表出てくださいこんにゃろー！！』

今にも喧嘩勃発の空気を苦しくするピリピリ感が肌を刺す中、ひとつの人物が二人の間に割り込む。

｢ちょっと、今そんなことしている場合じゃないでしょ！？船長も、Aも喧嘩は後でして！！｣

慌てた形相で私の肩を掴んだのはペンギン。
帽子の隙間から見える瞳は酷く焦っていて、ぐわんぐわんと肩を揺さぶりながら私の背後を指す。

なんだ、と思い振り返ると。

｢…、どこまでも小賢しいハエどもがァ！！｣

今にでも怒り狂いそうなほど拳をわなわなと握り締めている赤犬。

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