【ONE PIECE】DEAD OR ALIVE (ページ9)

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逃げの体制を取り全力で潜水艦へと走り去ったコンマ数秒後、赤犬は一瞬身体を硬直させていたが、直ぐに追ってくる。

｢待てェ、小娘！！！｣

鬼の形相で追ってくる赤犬が怖すぎて『ひええ、』と小さな悲鳴が口から飛び出す。
男に付けられた大量の傷も痛みも、アドレナリンが分泌されているのか。それとも頭から抜けたのか。溢れ出す血液も気にならないまま全力で走る。

自身の能力である、水圧の力を借りて相当速いスピードで戦場を駆け抜けているのだが、流石は海軍大将。1秒にも満たなかったロスをまるでなかったかのように一気に距離を縮められる。

『げ！！！』

やばい…！
あと100メートルほどで船へと着くっていうのに！！
赤犬は私の1歩後ろまで近づいていた。
そしてチラッと後ろを振り返った瞬間に見たのは、赤犬が私に向かってマグマで熱された拳を振り上げている姿。

やばい、このままじゃモロに当たっちゃう！
走るスピードも水圧も強くしても一向に広がらない差。
その瞬間、風を切る音と。
空気までも溶かしてしまいそうなほど熱風に包まれた感覚が背中に近づいてくる。

もうダメだ…！
避けきれない、と無意識に止めた足。諦めて痛みに耐えるために目を瞑った。だが、いくら待てど待てど身を割くような痛みも、皮膚の焼け焦げる激痛も何もしない。
逆に私を包み込むような暖かい体温が心地いい。

恐る恐る目を開けると、目の前には待ち焦がれていた船長の輪郭。

｢何してんだよ…。｣

頭上から降ってくる呆れたような船長の声。そしてゆっくりと状況を見渡すと自身の背中と太ももの裏に回った逞しい腕。
目を瞑った一瞬で何故か船長の腕の中へと移動していた。

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