僕達、女の子が苦手です２【BTS】 (ページ28)

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78.TH【大邱】ページ28

夕方の大邱の空は
ソウルの空より澄んでるように感じるのは
勘違いかな。

「テヒョナじゃないの！！
こんなに大きくなってぇ！」

『ばあちゃん、』

叔母「早く入んなさい」

俺のお母さん方のばあちゃん。
ばあちゃんは、
いきなり来た俺に驚いても
どうして来たのかを聞いたりはしなかった。

叔母「あんたがいないうちに、
この辺もどんどん開発が進んじゃってね」

『でもお店は続けてるんだね』

叔母「当たり前じゃないの！生涯現役さ！」

大邱はソウルほどではないけど、
都会で、でも、
ばあちゃん家はその大邱の中でも
外れの方にあって、
商店街みたいなところが並ぶ中、
八百屋さんをやっている。

叔母「あんた、どうせラーメンとチキンと
コーラしか食べてないだろう？」

『どうしてわかるの？！』

叔母「昔からそうだったでしょう、ばぁちゃんが八百屋で野菜売ってるっていうのに、野菜より肉が食べたいって言って！」

『…あはは、懐かしいね』

叔母「お風呂沸かして、
お茶入れるから待っとき、」

少しカビくさいタンスみたいな香り。
俺は絨毯に横になった。
落ち着く。
ここにいると、
俺が俺でもいいんだなって思う。

叔母「ご飯は食べたのかい？」

『…食べてない』

叔母「食べてないだって？ほんとにあんたって子は、」

ばあちゃんは冷蔵庫からタッパーに入ってるオカズを次々と出してきた。
ばぁちゃんの料理は基本的に
赤か茶色しかない。

TH「母さんは、
こんな俺でも愛してくれたよね」

教科書の朗読に時間がかかった俺を、
計算の出来なかった俺を、
母さんは愛してくれた

叔母「そりゃそうさ。可愛い息子だもの。
私だって孫のあんたを愛してるよ？」

TH「…ヒョン達はほんとに
俺のこと愛してくれてたのかな」

ボソッと言う俺の言葉に、
ばぁちゃんは何も答えなかった。

TH「どうして俺ってこうなんだろうね。
ジンヒョンは明るくて前向きで
ユンギヒョンは強くていつも冷静で
ホソクヒョンは優しくて
ナムジュンヒョンはいつも正しくて
ジミンは頑張り屋で
グクは何でも出来るんだ。
…俺は何が出来るんだろう
出来ることより、
出来ないことの方が多いと思うんだ」

銀色の箸を持ちながら、
目の前にあるキムチをつついた。

ばぁちゃんのキムチと
ジンヒョンのキムチは
違う。
でもどっちも同じくらい大好きだ。

ポケットに入ってるカトクの通知で
太ももに振動が伝わった。

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