44.JK ページ44
作品で使った筆を、
ひたすら黙々と洗っていたら、
声をかけられた。
「あのぉ、ジョングクさんですよね?
あのぉ、学部棟前の作品見ましたぁ、
すごすぎて感動しましたぁ!
…あれって彼女さんですか?」
「私も気になって、、、最近いっしょに登校してますよね?でもテヒョンさんとも居たし、テヒョンさんの彼女ですか?」
「あと、私、モデル探してて、、、人物画のモデルになってくれませんか??」
「えーーーっ!私もジョングク君に頼みたい」
…人が群がってきて、てか無駄に近くて、
筆が上手に洗えない。
邪魔だなぁ。
「…聞こえてます?あの女の子って彼女ですか?」
JK「…別にあんたらに関係なくない?」
少しだけ絵の具が取り切れてないけど、
もういいだろう。
とりあえずここから逃げたい。
最初の方は俺もちゃんと答えてた。
人見知りだし、女の子は苦手だけど、
でもそれじゃ俺も変われないよなって。
でもこの人達は俺の作品とか俺の人間性とか
まるで興味ないって気づいた日から
俺はもう突き放すようになった。
…俺だってわかってる。
“別にあんたらに関係なくない?”
って言葉が似合うほど、俺は強くないし。
そんな言葉が似合う人って
たぶんユンギヒョンみたいな人だし。
でも突き放すくらいじゃないと、
その話に付き合ってる自分が哀れに
思えるから。
俺のことを俺としてみてくれる人じゃないと、
俺はもう話したくなくなるんだ。
それって傲慢なのかな。
『グクーーーーっ!』
人目も気にせずこっちにダッシュしてくる、
俺のことを俺として見てくれる
唯一の女の子。
『さっきまでジミンのとこでバイトしてたんだ!初バイト!店長が結構ハゲてて、コーヒーの豆を挽く道具の銀色と反射しまくっててほんとに眩しかったよ!でも店長すごいいい人だった!』
JK「…どういう話のオチだよ、笑」
『んで、これ、そのハゲた店長からもらったレモンケーキ!グクにあげたくて来たよ!』
俺は馬鹿だから、
こんなAを形容する言葉が
思い浮かばない。
でもただただ愛おしいんだ。
JK「ありがと、後で食べるよ」
『今食べてよぉ〜、今感想聞きたいじゃぁん』
「美人しか相手にしないとか性格悪、ジョングク」
「作品だって、どうせ学部長に媚売って取れたんでしょ」
態度を豹変させたさっきの女子達の声が聞こえる。
前は怖かったそれらが、
となりにいるAのおかげで、
俺はもう全然怖くなくなった。
.
2004人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:やきにくさん | 作成日時:2019年7月9日 0時