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桜。
どこをみてもピンク色の景色に
目がくらみそうだった。
「あの子ん家、また父親が再婚したらしいよ」
「でもあの子母親の連れ子でしょ？」
「じゃあお父さんとは血が繋がってないんだ、」
「ニセモノの家族だね」
「あの子も天真爛漫なフリして、実はめんどくさそうだよね、性格」
「絶対そうだよ！自分が可愛いからって天真爛漫なキャラしてるだけ！根は絶対根暗でしょ笑笑」
昔、聞いてしまった言葉達が、
どうして今頃、
こんなに鮮明に蘇るんだろう。
辛い現実を、
笑い飛ばしたいから、
前向きに生きようとした。
でも、その姿勢でさえ否定されて、
どうしていいかわからなかったあの頃。
オッパ達は女の子が苦手って言ってた。
私だって、苦手。
でも私は、
最後まで気づかないフリして
鈍感なフリして、
必死だった。
なぁんて言ったら、
オッパ達は必死だった私を知って、
可哀想に思うのかな。
必死になるくらいなら、
何もしない方がいいのかな。
.
.
.
JK「…A、」
名前を呼ばれて、
意識がグクオッパの方に向いたとき、
シャッターが押された。
JK「泣いてる？」
『え？泣いてないよ？』
JK「…そっか、なんかそんなふうに見えた」
『…あははー笑、なにそれ。
写真撮れた？なんかポーズとかよくわかんなくて』
JK「いや、もう撮れたから大丈夫！」
『え！みせて！』
JK「…うーん、作品展で出すからその時に見てよ。今は見せない」
『えー？なんで？』
JK「…なんでも笑 ありがと、手伝ってくれて。
前よりもっとAが知れた気がする」
そう言ったグクは、
申し訳なさそうな顔をするから
不思議だった。
私がそんなに辛そうな顔でもしてたのだろうか。
それともグクは私の考えてたことを読み取れる
エスパーなのか。
ちょうどいいタイミングで、
授業終了の鐘がなり、
グクオッパは私の頭に乗った
桜の花びらを慎重に取って、
その後優しく優しく
私の頭をそっと撫でてくれた。
.
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作者名：やきにくさん
| 作成日時：2019年7月9日 0時
