公開プロポーズ ページ39
*
「俺は、Aを愛してる。これからもずっと、愛し続けるよ。
もしも、世界中の誰も賛成してくれなくても構わない。
だけど、誰も反対なんか出来ないよ。
だってAは誰よりも俺のことを考えてくれて、愛してくれて
こんなにも心が綺麗な人だから」
「ドンヘ…(泣)」
「A…俺と…ずっと一緒にいてくれる？」
「………私でいいの？」
「俺は…Aがいいんだって」
「ドンヘ…」
「返事は？」
「はい…喜んで…」
いつ用意したのか、小さなブルーサファイヤが付いた指輪を
私の左手の薬指にはめてくれる。
「綺麗…」
世界中の、誰もが羨ましがるだろうこのシチュエーション。
周りにいたどの女性もがウットリとドンヘを見つめて涙ぐむ。
鳥肌が立つくらいクサイ台詞もサプライズも
ドンヘだから許されるのかもしれない。
自然発生的に、どこからともなくキスしろコールが始まる。
「え…いやいや…」
こんなとこで無理だから！
「A」
「え！？」
気づいたらドンヘは立ち上がっていて、肩に置かれた手に
驚いてる間もなく唇が重なっていた…
沸き起こる歓声とため息。
そっと、触れるだけのキスに、時間が止まったような感覚。
「続きは後でね…」
唇が離れる瞬間、誰にも聞こえないようにドンヘが囁いた…
そして、この一部始終はリアルタイムに全世界に発信されてしまった。
*
大きな拍手と歓声の中、私たちが下りのケーブルカーに乗り込むと
遠慮する人たちは誰も乗ってはこなかった。
たった二人だけの空間。
ただただ、涙が溢れて止まらない私を
そっと抱きしめて背中を摩るドンヘの手に身を委ねる。
「ドンヘ…？」
「ん？」
「事務所の社長さんに叱られるね…
どうしよう、ドンヘの仕事がなくなっちゃったら私…」
「そしたら一緒にカフェでもする？」
「でも…歌が唄えなくなっちゃう…」
「歌なんてさ、どこでだって唄えるさ。
そんなことよりも、Aを失うことの方が怖い…」
ケーブルカーが降りて行く静かな機械音にドンヘの着信音が重なる。
「鳴ってる…」
「どうせマネヒョンだろ」
「出なくていいの？」
「いい。明日で…」
「でも……んっ…」
続きを言う前に、唇を塞がれて…
何度も角度を変えて食まれたら
鳴り続ける着信音まで気にならないくらい頭が痺れて…
あっという間に地上に辿り着いた。
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 622人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらこ(プロフ) - ハルさん» ハルさん、今頃コメントに気づいてレスが遅くなってゴメンナサイm(_ _)m永久保存版だなんてめちゃくちゃ嬉しい褒め言葉です！ちょっと最近更新出来てないのですが…これからもよろしくお願いします( ´ ▽ ` ) (2014年7月9日 12時) (
レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - はじめまして！つい昨日のこと…こちらのお話と出会いました。そして仕事が休みだった今日、一気に読み上げました。さくらこ様!!!!!最高です!!!!!永久保存決定です!!!!!おっと、興奮してしまいました(-_-;)ｽﾐﾏｾﾝ 他のお話にもお邪魔します♪ (2014年5月26日 19時) (レス) id: 3afd879ea6 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ゆきひこさん» ゆきひこさん、コメントありがとうございます！！そんな風に絶讃していただけるなんて、くすぐったいような気が引けちゃうような…こんな駄作を気に入っていただけてすごく嬉しいです。こちらこそ、本当に感謝です！！（ ; ; ） (2014年2月4日 12時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきひこ - 最愛ドンヘの小説が読みたくて…泣いてしまった。…ゆっくりと愛し愛されるプロセスが有って 、哀しくて優しくて辛くて幸せで…私の叶わぬ夢を文字にしてくれた作者様…感謝！！“見惚れてるよ、私の旦那様に…”グッと来た台詞(笑)多分私もきっと言うはずだから(笑) (2014年2月1日 19時) (レス) id: 3d5def24d2 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 蛍さん» 蛍さん、レスが遅くなってごめんなさい(＞人＜;)気づくの遅っ！ありがとうございます！とにかくドンヘ溺愛の作者ですので願望入りまくりです（笑）ホント、こんな恋出来たら幸せですよね…夢です(泣) (2013年10月13日 9時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：mi＊ku
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年6月5日 9時
