君の街へ ページ33
*
「Aのこと、頼むよ」
「あの！」
「ん？なに？いきなり大きな声出して(笑)」
「ヒョンって呼んでいいですか？」
そう言った俺に、目をまん丸くして固まるソンジェシ。
そのあと
「君って変わってるね」
って思いっきり笑われたけど…
Aを裏切った瞬間があったことは間違いないけれど、
ソンジェシがAと別れたからこそ俺がAと出会うことが出来たんだし
彼は彼なりにAを愛していて、今でも大切に思ってることがわかる。
俺を試したあの言葉だって本心だとわかるから。
このまま俺を拒否し続けることだってできるはずなのに、
それでも俺にAを託してくれるヒョンの優しさと男らしさが伝わって…
俺とよく似た雰囲気を持ち合わせてるこの人に
友情にも尊敬にも似た気持ちを抱いて思わず口にしてしまったんだ。
*
そして、次のオフ。
俺はAが育った街にやってきた。
ヒョンから聞いた住所は、ソウルからあまり離れていない小さな街で。
それなのに、ソウルの喧騒とはかけ離れた静かな住宅地が広がっていて
いわばベッドタウンのようなものなんだろうか。
小綺麗な家が建ち並ぶ一角に、Aの家はあった。
少し低いフェンスで囲まれた、上品で立派な一軒家。
手入れの行き届いた芝生。
薔薇とかいろんな花が主張しない程度に植えられてて…
Aのオモニの趣味なんだろうか？
きっと、Aと似て綺麗な人なんだろうなぁ、なんて思って
門の外から眺めていた。
2階建ての、可愛らしいレースのカーテンがかかった窓。
そこにいるの？
その閉ざされた窓の向こうに…
早く会いたい気持ちが溢れて鼓動が早くなる。
受け入れてくれるだろうか。
許してくれるだろうか。
今更ながら、心が揺れて怖くなる。
躊躇いながら、インターホンを押そうとしたその時…
玄関のドアがカチャッと開いて
その瞬間、なぜかフェンスの影に隠れてしまった。
あ、ばか…なにやってんだよ…
情けない…
そっと覗くと…
年配の女性がココを伴って出て来て、庭の手入れをし始めた。
Aの…オモニ…？
ど、どうしよう、出て行くタイミング、逃したっぽい(汗)
きっと、こうやって門の外からこっそり覗き込んでる俺は
はたから見たら怪しい不審者で…いつ通報されてもおかしくなかった。
その時、フェンスの足元から可愛い鼻先がちょこちょこと覗いた。
「ココ…」
愛しい小さな鼻に、指でそっと触れた。
「どなた？」
*
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さくらこ(プロフ) - ハルさん» ハルさん、今頃コメントに気づいてレスが遅くなってゴメンナサイm(_ _)m永久保存版だなんてめちゃくちゃ嬉しい褒め言葉です！ちょっと最近更新出来てないのですが…これからもよろしくお願いします( ´ ▽ ` ) (2014年7月9日 12時) (
レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - はじめまして！つい昨日のこと…こちらのお話と出会いました。そして仕事が休みだった今日、一気に読み上げました。さくらこ様!!!!!最高です!!!!!永久保存決定です!!!!!おっと、興奮してしまいました(-_-;)ｽﾐﾏｾﾝ 他のお話にもお邪魔します♪ (2014年5月26日 19時) (レス) id: 3afd879ea6 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ゆきひこさん» ゆきひこさん、コメントありがとうございます！！そんな風に絶讃していただけるなんて、くすぐったいような気が引けちゃうような…こんな駄作を気に入っていただけてすごく嬉しいです。こちらこそ、本当に感謝です！！（ ; ; ） (2014年2月4日 12時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきひこ - 最愛ドンヘの小説が読みたくて…泣いてしまった。…ゆっくりと愛し愛されるプロセスが有って 、哀しくて優しくて辛くて幸せで…私の叶わぬ夢を文字にしてくれた作者様…感謝！！“見惚れてるよ、私の旦那様に…”グッと来た台詞(笑)多分私もきっと言うはずだから(笑) (2014年2月1日 19時) (レス) id: 3d5def24d2 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 蛍さん» 蛍さん、レスが遅くなってごめんなさい(＞人＜;)気づくの遅っ！ありがとうございます！とにかくドンヘ溺愛の作者ですので願望入りまくりです（笑）ホント、こんな恋出来たら幸せですよね…夢です(泣) (2013年10月13日 9時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi＊ku
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年6月5日 9時
