運命の糸 ページ27
*
ポケットから小さな鍵がジャラジャラ付いたキーホルダーを出して
オーナーが飾り棚の鍵を開けてくれた。
「これを」
ガラスの上から指で示したゴツイスカルのリングを取り出してくれた。
「あと、これと…これも、いいですか？」
「ええ、いいですよ」
そう言ってニコッと笑った顔はやっぱり
どこか懐かしい気持ちになった。
ああ、そうか。俺に似てるって言うよりも…
ドンファヒョンに似てるのかもな。
「はめてみてもいいですよ」
「あ、はい…」
俺はその時初めて、サングラスを外した。
「あ…！」
「……」
「あなた…」
「あ…」
バレたかな？
そう思って、顔をあげた瞬間。
目が合ったオーナーの顔から笑顔が消えて。
明らかに動揺してるように思えて違和感を覚える。
俺がドンヘだって、気づいたとしても、こんな反応はおかしい。
「あの…」
「俺もいいですか？」
「え、あ。はい」
同じタイミングでヒョクが声を掛けたから、逃げるように俺から離れるオーナー。
何処かで会った？
いや、俺は初対面のはず。
「なあ、ドンヘ。こっちとこっち、どっちがいいと思う？」
「ん？ああ…俺はこっちかな」
思い過ごし？
ヒョクはお気に入りのバングル2つを両手首に付けて
片方ずつかざして見比べて頭を捻る。
「どうしようかな…？」
「もういっそのこと両方買えば？」
俺がそう言うと、ヒョクは目を輝かせて頷いた。
「そっか！両方買うわ！！で、ドンヘは？決まった？」
「うーん、俺は今日はいいや。また今度で」
なぜか、このオーナーのことが気になって
これで終わりにはしたくなかった。
レジで会計しながらも、どこか緊張してる風なオーナー。
やっぱり何かあるのかな？
声をかけようと思いながら、ふとレジ横の小さなガラスケースの中の
名刺に目が止まる。
【Ab Imo Pectore オーナー イ・ソンジェ】
イ・ソンジェ…
ソンジェ…？
まさか…な？
こんな名前、どこにでもよくあるじゃないか。
だけど…
ヌナが話してくれた、ソンジェシの話を思い出した。
《少し天然で、世話の焼ける人で…
ってなんだかドンヘシみたいだね。》
いや、違うだろ。
まさか、こんな偶然あり得ない…
でも…
なぜか胸騒ぎがして、鼓動が早くなる。
もしかしたら、ヌナを裏切ったソンジェシと、この人は同一人物？
なら、俺とAの運命の糸はまだしっかりと繋がってるってことだよね。
*
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さくらこ(プロフ) - ハルさん» ハルさん、今頃コメントに気づいてレスが遅くなってゴメンナサイm(_ _)m永久保存版だなんてめちゃくちゃ嬉しい褒め言葉です！ちょっと最近更新出来てないのですが…これからもよろしくお願いします( ´ ▽ ` ) (2014年7月9日 12時) (
レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - はじめまして！つい昨日のこと…こちらのお話と出会いました。そして仕事が休みだった今日、一気に読み上げました。さくらこ様!!!!!最高です!!!!!永久保存決定です!!!!!おっと、興奮してしまいました(-_-;)ｽﾐﾏｾﾝ 他のお話にもお邪魔します♪ (2014年5月26日 19時) (レス) id: 3afd879ea6 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ゆきひこさん» ゆきひこさん、コメントありがとうございます！！そんな風に絶讃していただけるなんて、くすぐったいような気が引けちゃうような…こんな駄作を気に入っていただけてすごく嬉しいです。こちらこそ、本当に感謝です！！（ ; ; ） (2014年2月4日 12時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきひこ - 最愛ドンヘの小説が読みたくて…泣いてしまった。…ゆっくりと愛し愛されるプロセスが有って 、哀しくて優しくて辛くて幸せで…私の叶わぬ夢を文字にしてくれた作者様…感謝！！“見惚れてるよ、私の旦那様に…”グッと来た台詞(笑)多分私もきっと言うはずだから(笑) (2014年2月1日 19時) (レス) id: 3d5def24d2 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 蛍さん» 蛍さん、レスが遅くなってごめんなさい(＞人＜;)気づくの遅っ！ありがとうございます！とにかくドンヘ溺愛の作者ですので願望入りまくりです（笑）ホント、こんな恋出来たら幸せですよね…夢です(泣) (2013年10月13日 9時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi＊ku
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年6月5日 9時
