冷静なわけ ページ18
*
「ヒョン、ドンヘは？」
「まだだ…」
「大丈夫だよね？絶対戻ってくるよね？」
「ああ…幸い動脈は逸れてたらしいから…あとは、本人の体力と気力…」
「あいつ…このまま死んだらただじゃおかないからな…」
堪えようとすればするほど溢れ出る涙を
袖口で何度も拭って肩を震わせるヒョクシ…
それをただぼんやりと見つめる私に
やり場のない怒りと悲しみを湛えたマネージャーの視線が刺さる。
「悪いんだけど…ちょっと、二人だけにしてくれるか」
「ヒョン…？」
「ドンヘの様子、見てきてくれ…」
「ヒョン、ヌナになに言うの…？」
「なにも言わないさ。少し…話がしたいだけだよ」
「じゃあ俺がいても…」
「ヒョクシ…いいですから…ドンヘのところに行ってあげて？」
「ヌナ…」
小さく頷いて、大丈夫って伝えると、ヒョクシは諦めたように部屋を後にした。
「すみませんでした…私なんかのせいでこんなことに…」
「随分冷静ですね…」
「え…？」
「恋人が…瀕死の状態だっていうのに…どこか他人事みたいに見える」
「他人事…？」
「ええ…」
「どうしてでしょう……なぜか、実感が湧かないんです。
私にとってのドンヘは、Superjunior のアイドルのドンヘじゃなくて
ただの、ひとりのイ・ドンヘっていう男の人で…
それしか知らないから…
もしかしたら、今はここにいないけど、ひょっこり現れるんじゃないかって…
いえ、ただ、そう思いたいだけなのかも知れません」
「ドンヘはひとりだけですよ」
「そう…ですよね…」
「実は…あいつから相談されてました。あなたのこと。
それで、知り合いの刑事に頼んで犯人を追ってたんです。
今日、ここに犯人が来てるかもしれないと聞いて…
正直、僕は反対したんです。
ストーカー被害に遭ってるような女性との交際なんて…
でも、あいつはどうしても自分があなたを守るんだって聞かなくて…」
「ドンヘが…？」
そういえばあの写真とUSBメモリー、私の部屋に置いておくのは嫌だから
ドンヘが処分してくれるって持って帰ってくれたんだった…
「こうなってしまったのは僕の責任でもあります…」
「いえ、違います、私の…」
「……単刀直入に、言ってもいいですか…？」
「はい…」
何を言われるのか…もう察しは付いていた。
早くなる鼓動を必死で抑えて。
覚悟を決めた。
*
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さくらこ(プロフ) - ハルさん» ハルさん、今頃コメントに気づいてレスが遅くなってゴメンナサイm(_ _)m永久保存版だなんてめちゃくちゃ嬉しい褒め言葉です！ちょっと最近更新出来てないのですが…これからもよろしくお願いします( ´ ▽ ` ) (2014年7月9日 12時) (
レス) id: c51219206a (このIDを非表示/違反報告)
ハル - はじめまして！つい昨日のこと…こちらのお話と出会いました。そして仕事が休みだった今日、一気に読み上げました。さくらこ様!!!!!最高です!!!!!永久保存決定です!!!!!おっと、興奮してしまいました(-_-;)ｽﾐﾏｾﾝ 他のお話にもお邪魔します♪ (2014年5月26日 19時) (レス) id: 3afd879ea6 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ゆきひこさん» ゆきひこさん、コメントありがとうございます！！そんな風に絶讃していただけるなんて、くすぐったいような気が引けちゃうような…こんな駄作を気に入っていただけてすごく嬉しいです。こちらこそ、本当に感謝です！！（ ; ; ） (2014年2月4日 12時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきひこ - 最愛ドンヘの小説が読みたくて…泣いてしまった。…ゆっくりと愛し愛されるプロセスが有って 、哀しくて優しくて辛くて幸せで…私の叶わぬ夢を文字にしてくれた作者様…感謝！！“見惚れてるよ、私の旦那様に…”グッと来た台詞(笑)多分私もきっと言うはずだから(笑) (2014年2月1日 19時) (レス) id: 3d5def24d2 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - 蛍さん» 蛍さん、レスが遅くなってごめんなさい(＞人＜;)気づくの遅っ！ありがとうございます！とにかくドンヘ溺愛の作者ですので願望入りまくりです（笑）ホント、こんな恋出来たら幸せですよね…夢です(泣) (2013年10月13日 9時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi＊ku
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年6月5日 9時
