僕のご主人さま〜Donghae〜Vol,2

手放せない ページ48

*


ドンヘの言葉が、キスが、優しい瞳が

私の凍りついた心を少しずつ溶かしていく。


「ヌナ…ヌナの好きなとこ、言ったよね？
優しくて可愛くてお料理が得意で…それからね。

ちょっと無謀なとこもあるけど…勇気があって、僕のことを守ってくれる。
傷付けられても、決してその人を悪く言わない、
相手の立場に立って物事を考えられる人」

「そんなことない……っ」


私はそんな偉い人間じゃない…！
そのうち、それに気づいたらドンヘはきっと…


「そんなことあるの！なのに、ヌナが自分を否定しちゃったら
そんなヌナが好きな僕まで否定することになるんだよ？」


ドンヘは私なんかよりずっと優しくて素敵で…
なのになんで否定なんて……！

こんなにも、あなたのことが好きで好きでたまらないのに…


「僕は……もうヌナじゃないとダメみたいなんだ」


私だって、これから先、ドンヘ以上に好きになれる人なんて現れない…
この気持ちを、どうやったら伝えられる？


ドンヘの両手が、まるで宝物を扱うみたいにそっと頬を包んで
唇が優しく重ねられて……


「朝起きるとヌナを思って、ご飯を食べるときも、歯を磨いてても
仕事に行く時でも、仕事中でも、早くヌナに会いたくてたまらなくて…

会って、一緒にいると楽しくて嬉しくて、ホッとして。
だけどドキドキして…帰る時は、淋しくて切なくて…帰りたくなくて…

出来る事なら、ヌナをちっちゃくしてポケットに入れてどこに行くにも
連れて行きたい。ずっと一緒にいたい」


もうだめ、この人を手放せない…


私は……ドンヘを…


「A……愛してる………」


その言葉を聞いた瞬間、私の中の高い壁がすべて崩れ落ちる音が
聞こえた気がして…


私は自分からドンヘに口付けた………



「A…」

「ドンヘ私…あなたが好き…ううん、愛してる…」

「ホントに？」

「うん…あなたのペンや仕事のこと、もちろん不安で…
だけど、それはきっと言い訳で…本当は怖かったの…」

「怖い？」

「うん、いつか…飽きられちゃうんじゃないかって…」

「そんなことあるわけ…」

「ソンジェもそう言ったの。ずっと、愛してるって…」


ドンヘが一瞬、瞳を曇らせた…



*

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