僕のご主人さま〜Donghae〜Vol,2

恐怖 ページ8

*


「ココ…オンニを守って…」


不思議そうに私を見上げるココにリードを付けて、部屋を出る。

ココがどうやって私を守るのよ…
少し自嘲気味に笑った。

いざとなれば、これを鳴らせばいい。
ポケットの中に警報ブザーを忍ばせてそれを中でギュッと握る。

膝が、ガクガクする。
落ち着け、落ち着け自分。

大丈夫。大丈夫。
何度も言い聞かせた。

鼓動が早い。


何が何でも、元データを取り返さなきゃ。


恐怖で強張る体を必死の思いで奮い立たせて公園に着いた。
とたんに、ココが落ち着きをなくしてそわそわし始めた。


いつものベンチに、誰かが座ってるのが見えた。

ドキッとした。
あの日の光景がふと、頭をよぎる。

あの日、ここにドンヘシがいなければ。

あの日、私が散歩に来なければ。

あの日…


今更そんなあり得ないことを考えてもしょうがないのに
時間を戻して欲しいなんて、本気で思ってしまった。


ベンチの人物が、私に気づいて立ち上がった。

ココが、体を低くして唸る。


「やあ…A、会いたかったよ」


こんな人知らない……


「あなた…誰ですか？」

「………酷いなあ、あんなに愛し合ったのに……クク」

「初対面ですよね？」

「毎日話してるじゃないか」



*

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