103話 ページ4
『ごちそうさま』
私がまた手を合わせれば、男はさっきと同じようなことを言う。
だから宗教上の関係です。
正直今日は味を感じなかった。
それほど焦っているのだろうか。
「お味は?」
『それなりに』
「つれないね」
男はまた私に口轡と手に縄をかけてすぐに立ち去った。
そんな日々が幾度となく続いた。
そろそろ暇で死にそうだ。
そんなある日、転機が訪れた。
「…うわ〜こんなとこ何もいるわけないじゃん、なんでこんな不気味なとこに寄越すんだよ」
何やらまったく聞き覚えのない声が聞こえた。
私は真っ直ぐに扉を見つめる。
「鬼狩る任務もやだけど鬼出そうな任務もやだよぉ」
なるほどこいつは鬼殺隊らしい。
…相当ビビリな。
「あれ?こんなとこにも扉あるじゃん」
がちり、と鍵が開く音がした。
そのまま声の主は姿を表す。
まだ幼い黄色い髪が特徴的な男の子だ。
普通に可愛い。
けどそんな目の前の男の子より逃げられるという期待の方が私の中では大きかった。
男の子は私を見てびっくりしている。
『んん、んぅんん』
“これ、はずして”
私は口轡をしながらもそう喋る。
「アッそうだよね!ごめん今外す!」
男の子は焦りながら私にかけられたものを外した。
行かなきゃ。
『ありがとう!!』
私は男の子の待って、という声も聞かずに走り出した。
829人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
むるち(プロフ) - メグさん» 2年越しのお返事で申し訳ありません。応援ありがとうございます。よろしければ今後もお付き合い頂けますと幸いです。 (12月11日 13時) (レス) id: 5314d67d38 (このIDを非表示/違反報告)
メグ(プロフ) - 初めまして。小説楽しく拝見させて頂きました。童磨好きなので、更新楽しみにしています。頑張って下さいね。 (2021年1月4日 17時) (レス) id: b24a442a0d (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - ぱふぇさん» コメントありがとうございます。童磨の格好良さに気づいて頂けて良かったです!ぱふぇ様のコメントを見て久々に更新致しました。これからもゆっくりではありますが更新していこうと思いますのでお付き合い頂けますと幸いです。 (2021年1月2日 11時) (レス) id: 3098e1ffea (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ - すごく面白いです!童磨ってこんなに格好良かったんだ…!まじ最高☆更新待ってますね〜o(^-^)o (2020年10月5日 21時) (レス) id: 00337bf9fd (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - 抹茶さん» 返信遅くなり申し訳ありません。すごく嬉しいです!これからもどうぞよろしくお願いします! (2020年6月19日 22時) (レス) id: 3098e1ffea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:むるち | 作成日時:2020年1月11日 23時