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125話 ページ26

いつもより薄暗い中目が覚めた。
なんだか、襖の隙間から漏れる光がいつもと違う。

私は気になってのそりと起き上がり、襖をそっと開け、縁側の先に見える庭を見た。

『━━━━雪だ!!』

私は素早く袴に着替え髪を簪で括り、厚手の羽織を着て身軽に外へ乗り出した。

すっかり積もった雪は、縁側と同じくらいの高さ。

後ろ向きに、気兼ねなく倒れ込む。
雪は優しく包んでくれた。

『んっふ、ふふふ』

首元の冷たさと擽ったさに笑みがこぼれる。

縁側を使って移動する信者は、私をみて苦笑いを浮かべた。

「今年もか」と。

信者たちの間では、どうやら恒例行事らしい。

“A様の雪まつり”
と名付けられていることをこの間知った。
楽しいからどんどん参加してくれ。

「……今年もやってるの?飽きないねぇ」

上から、聞き覚えのある声がすると共に視界がかげる。

『うは、童磨もやるといいよ』
「遠慮しとく」

私はもったいない!と叫びながら起き上がった。
雪には私が寝転んでいたそのままの形が残っている。

『雪って、なんかすき』
「ふうん?」

冷たいのに柔らかくて優しくて、なんだか童磨みたい。

そんな話は絶対してやらないけど。

『今年は童磨の結晶の御子を雪だるまで再現したいです』
「無理だと思うけど、とりあえず風邪ひかないようにしておくれよ」

“無理だと思うけど”と言われ私は頭にきた。
絶対童磨をうならせる雪だるまを作ってみせる…!

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むるち(プロフ) - メグさん» 2年越しのお返事で申し訳ありません。応援ありがとうございます。よろしければ今後もお付き合い頂けますと幸いです。 (12月11日 13時) (レス) id: 5314d67d38 (このIDを非表示/違反報告)
メグ(プロフ) - 初めまして。小説楽しく拝見させて頂きました。童磨好きなので、更新楽しみにしています。頑張って下さいね。 (2021年1月4日 17時) (レス) id: b24a442a0d (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - ぱふぇさん» コメントありがとうございます。童磨の格好良さに気づいて頂けて良かったです!ぱふぇ様のコメントを見て久々に更新致しました。これからもゆっくりではありますが更新していこうと思いますのでお付き合い頂けますと幸いです。 (2021年1月2日 11時) (レス) id: 3098e1ffea (このIDを非表示/違反報告)
ぱふぇ - すごく面白いです!童磨ってこんなに格好良かったんだ…!まじ最高☆更新待ってますね〜o(^-^)o (2020年10月5日 21時) (レス) id: 00337bf9fd (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - 抹茶さん» 返信遅くなり申し訳ありません。すごく嬉しいです!これからもどうぞよろしくお願いします! (2020年6月19日 22時) (レス) id: 3098e1ffea (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むるち | 作成日時:2020年1月11日 23時

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