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99話 ページ50

『ここですね』

この人の叔母とやらの家にはすぐに着いた。

男性はありがとうございます!と笑顔で頭を下げてきたので、私は軽くお辞儀を返して帰ろうとした。

「待ってください!お礼にお茶でも…」
『そんな、お構いなく。行くところがありますし』
「甘味もお出ししますから」
『…………………お言葉に甘えて』

私は甘味に釣られてこの人の叔母の家にお邪魔した。

が、叔母らしき人はどこにも見えない。

『叔母様、いらっしゃらないんですね?』
「そうみたいですね」

叔母がいないことを気にも留めない様子の彼に私は疑念が募っていく。

おかしい。何かがおかしい。
でも何がおかしいか分からない。

完全に逃げる隙を失った。
童磨と早く仲直りがしたいのに。
蓮の花の置物で釣ろうと思ったのに。

「お待たせしました」

男性の言葉で我に返った。
私らしくない、焦りすぎていたようだ。

ふう、と息をついて男性の用意した茶菓子を受け取る。

「どうぞ、召し上がってください」
『ありがとうございます』

やっぱり何か怪しい気がする。
十分に警戒しておこう。

そう思って茶を飲んだ。

私は後悔した。
怪しいと思ったやつの出した物を体内に入れちゃいけない。

自分の貪欲さには呆れた。
きちんと断れる女になろう。
…生きていたら。

私はぐらりと歪んで霞んだ視界の中そんなことを考えた。

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むるち(プロフ) - 邑宇井さん» 呪いって無惨様の前でもダメなんでしたっけ…そこら辺曖昧でつい呼ばせてしまいました。訂正いたします。ご指摘ありがとうございました! (2020年1月12日 17時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
邑宇井 - 童磨が無惨様って言っちゃってますけど大丈夫ですか???呪いとか...この作品ではスルーされる方向でしたらすみません (2020年1月12日 12時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - フランさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです!口付けされた場所に関してはこめかみで間違いないです。目尻の近くです。完全に私の好みです、お気に召さなかったら申し訳ありません。 (2020年1月11日 23時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 童磨カッコイイしこの作品大好きです!あと、"こめかみ"では無く"眉間"では無いでしょうか?間違っていたらすみません (2020年1月11日 11時) (レス) id: 8ce07c13d0 (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - lunaさん» コメントありがとうございます。そのように感じていただけて嬉しい限りです!マイペースで申し訳ありませんが頑張ります! (2020年1月10日 22時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むるち | 作成日時:2019年12月24日 23時

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