【鬼滅の刃】教祖様をはっ倒したい 弐【童磨】

83話 ページ34

追い詰められた。
そろそろ冷や汗1リットルも夢じゃない。

「どうしてか聞いてるんだけど」

私が焦っている間にも、童磨の不穏な空気は増していく。

「…誰か別の恋仲が欲しくなった？それとも抱かれてみたかった？」
『ッ違う！』

私は勢いのまま口を開いた。
突然大声を出したからか、童磨は少し動きが止まった。

『だって、だって……童磨って私のこと興味無いのかなって、思っちゃったんじゃん…』

自分でも何を口走っているのかわからない。
もっと他に言えることがあるだろ。
止まれ、止まれよ私の口…！

『まだ恋仲になって1週間も経ってないけど、もっと恋仲らしいことするのかなって思ってたのに、なのに何もしてこないじゃん…不安になるじゃん！』

もう目から涙が出そうだ。
童磨は私をあやす様に肩を掴んだ。

『それで、私に魅力がないのかなって…思った…』

もう尻すぼみになってしまった。
どうか私を埋めてくれ。

「…そう、ごめん。俺もね、どうすればいいかわからなかった」

肩に置いた手をするりと背中にまわし、私を抱きしめる。

「今まで恋なんかした事ないし、教祖っていう立場もあって人と付き合うなんかしなかった」

私の背を優しく叩きながら、童磨は語る。

「でも、万世極楽教には恋情や歪んだ愛への救いを求めるヤツらがいるだろう？…彼奴らみたいになりたくはなかった」

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