【鬼滅の刃】教祖様をはっ倒したい 弐【童磨】

53話 ページ4

今回は対人戦で考える、と童磨は続ける。

「相手が女ならいいんだけど、昨日Aが襲われたのは男だろう？この世は無情だねぇ」

童磨はそう言って肩を竦めた。
私は真剣に聞く。

「昨日の男くらいならまだいいんだけど、俺みたいに身長と筋肉量があるやつだとだいぶ分が悪い」

特にAは小さいから…と哀れんだ目を向けてくる。殴り掛かりたい気持ちをぐっと抑え、私は大人しく話を聞いた。

「まして何も武器を持ってない丸腰だとするだろ？」
『ごめんまって、なんでそんなに状況設定最悪なの？？？？？』

童磨は私の質問に目を丸くする。
そして優しい教祖様の顔になったかと思えば、笑顔でこう言い放った。

「なんでってそりゃ…この世に神はいないからさ！」

私は童磨の言葉に納得すると共に、背中がぞくぞく痺れるような感覚を味わった。

「それで、頭部を狙えば脳にダメージを与えられるんだけど、身長的にきついよねぇ。そういう時は」

童磨は、こちらにゆったりと歩み寄ってくる。

「ここを狙うんだよ」

そう言いながら、童磨は私の顎を掬った。

『…いやどこ』
「…顎だよ」

童磨は困ったように笑った。

「下から顎を強めに殴れば脳震盪を起こせる」

童磨は急所の説明を続ける。

「ま、まずは顎を狙うこと」

童磨はにこにこしながら拳を宙に振り上げる真似をした。

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