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62話 ページ13

からん、と小刀が床に落ちる音がした。

襖の方には、鬼のような形相をした童磨が立っている。
鬼のような、じゃない。こいつ鬼だった。

「…何してるの?返答次第ではただじゃおかないけど」

冷たい童磨の声に、私は何も言えなくなる。

ちらりと小刀をみやれば、近くに童磨の扇も落ちている。扇で小刀を弾いたのだろう。
えっ命中率すごくない?????


『……………気まぐれです』

悩みに悩んだ結果、私はこう答えた。

童磨はもちろん、眉間にシワを寄せている。
そんなに怒らないでほしい。

「気まぐれで、何しようとしたの」

冷たさの中に、恐怖と怒りとが混じっているように感じた。縋るような声だ。

『親指をちょこっと、ほんとちょこっと切ろうとしました』

こんくらい、と親指と人差し指で量を示しながら極めて明るく努めながら言う。

「なんで?」
『血鬼術使いたい』

童磨は、ぴしりと固まった。動かない。

そして30秒ほどして口を開いた。


「…馬鹿なのかな?」

30秒ためて言った言葉がそれ???
嘘でしょ?泣いちゃう。

『まあ否定はしない』
「馬鹿だもんねぇ」

童磨はいつもの調子に戻り、けらけら笑った。

「でも本当に…」

小さな声でそう言ったのを私は聞き逃さなかった。

『なに?』
「うわぁ、地獄耳だね」
『あは!ぶっとばすぞ♡』

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むるち(プロフ) - 邑宇井さん» 呪いって無惨様の前でもダメなんでしたっけ…そこら辺曖昧でつい呼ばせてしまいました。訂正いたします。ご指摘ありがとうございました! (2020年1月12日 17時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
邑宇井 - 童磨が無惨様って言っちゃってますけど大丈夫ですか???呪いとか...この作品ではスルーされる方向でしたらすみません (2020年1月12日 12時) (レス) id: 451c1f62e7 (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - フランさん» コメントありがとうございます。そう言っていただけて嬉しいです!口付けされた場所に関してはこめかみで間違いないです。目尻の近くです。完全に私の好みです、お気に召さなかったら申し訳ありません。 (2020年1月11日 23時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
フラン(プロフ) - 童磨カッコイイしこの作品大好きです!あと、"こめかみ"では無く"眉間"では無いでしょうか?間違っていたらすみません (2020年1月11日 11時) (レス) id: 8ce07c13d0 (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - lunaさん» コメントありがとうございます。そのように感じていただけて嬉しい限りです!マイペースで申し訳ありませんが頑張ります! (2020年1月10日 22時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むるち | 作成日時:2019年12月24日 23時

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