【鬼滅の刃】教祖様をはっ倒したい 弐【童磨】

61話 ページ12

屋敷に戻った私は、自分の部屋に入る。

明日は、童磨の顔面を殴れるだろうか。

そんなことを考えながらため息をついた。


どうして私はこんなに弱いんだろう。

そんなの分かりきっている。
人を喰らわない、無惨様から血を頂かないからだ。

別に、人を食べるのが嫌とか無惨様が嫌いとかではない。
むしろ無惨様は顔面が好きだ。
顔面はとんでもなくいいと思う。

でも人より甘味が美味しいし、無惨様が血をくれない。それだけだ。


…血鬼術。

ある程度強くならないと、人間をたくさん喰らわないと使えないらしい。

童磨が初めて血鬼術を使った時、私もいつか、なんて思いを馳せていたがいつの間にか諦めてしまっていた。

『血鬼術って血を使うのかな…名前的に』

私は帯から小刀を取り出した。

私は回復力がとんでもないから、少しくらい切っても大丈夫。
ちょっと試すだけ。

そう思って私は親指の付け根に刃を当てるが、怖くて横に引けない。

え？みんなこんなの使って殺し合いしてるの？
痛いじゃんみんな無慈悲だなぁ…怖いわ…。

それでも僅かな血鬼術の可能性を捨てきれなくて、私は深呼吸してから小刀を当て直した。

意を決して小刀を握る手に力を込めた瞬間。

私の部屋の襖が勢いよく開くと同時に、私の手に握られた小刀が宙を舞った。

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