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42話 ページ43

でもその努力も、先程一瞬にして崩壊した。

童磨に恋心を知られてしまった。

『くっ…自決します』
「いやいや待ってよ」

私は帯にしまい込んでいた小刀を取り出した。

「えぇ?本気?」
『いや嘘です』

私は小刀を帯にしまった。

「今の流れの意味ってなんだったのかな」

開いた扇を口元にあて童磨は苦笑いした。

そして、童磨が扇を口元から離してバチン、と閉じる。

空気が震えた。

「それで…」
『童磨はッ』

私は、童磨の言葉を遮るように言う。

ただ、これは私が言っていいのかわからない。
だから少し迷って、でももう勢いのまま言葉を放った。

『私のこと、好きなんでしょ?童磨は感情がないなんていうけど、童磨はさっきの水柱に嫉妬してるし、好きな子ほど揶揄いたいっていうから私のことずっと揶揄ってきたんでしょ?ねぇ、童磨は私に恋してるよ』

こんなことを自分で言う恥ずかしさやらなんやらで、私はとんでもない早口になってしまった。

私が言い終えると、童磨は細かく肩を震わせて扇で顔を隠した。

『…何か違う?』
「いいや、違わないよ!」

童磨は若干涙目になりながら続ける。

「でも俺、それ全部自分で気づいてたよ。ふふっ、Aは可愛いねえ…俺が自分の感情を分かってないと思ったから言ってくれたんでしょ?」

ふふふ…と肩を揺らしながら笑う童磨。
私は顔に熱が溜まっていくのを感じた。

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むるち(プロフ) - 恋(れん)さん» コメントありがとうございます。童磨は素晴らしいと思います! (2020年1月13日 22時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
恋(れん) - ありがとうです童磨。いいですよね! (2020年1月13日 9時) (レス) id: f613416e65 (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - 極色さん» コメントありがとうございます。お褒めいただき光栄です!これからもよろしくお願いします! (2019年12月22日 0時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
極色(プロフ) - お初にお目にかかります。この小説のテンポがとても好きです!これからも応援しています! (2019年12月22日 0時) (レス) id: 734106404b (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - 七七四さん» コメントありがとうございます。そう思っていただけて光栄です。七七四様を始め応援してくださる方のおかげでここまで沢山の人に評価してもらえるようになりました。私も嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます! (2019年12月21日 22時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むるち | 作成日時:2019年12月7日 9時

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