22話 ページ23
彼女の血も拭き取り、部屋は綺麗にした。
私は、机の上に置いた簪の箱を手に取った。
蓋を開ければ、綺麗な彼岸花が顔をのぞかせる。可愛い。
『でも、本当にこんなもの買わせてよかったのかなぁ…』
なけなしのお金でも、童磨に何かお返しをしよう。
そう決めた私は、また今日も街に行くことにした。
『…似合うかな』
髪をまとめて簪を挿してみれば、鮮やかな赤が黒髪に映える。
彼女が喰べられたことで、この簪を気兼ねなく使えるようになったのは少し嬉しい。
私は、寝間着から袴に着替えると、部屋を出た。もちろん簪は挿したまま。
街へ行くまでの足取りが少し軽かった。
あっという間に街に着けば、今日もまた町は賑わっていた。
昨日の甘味処は美味しかったな、と思いながら歩けば、偶然か必然か、この甘味処のおじちゃんに声をかけられる。
こういうとき、つくづく人間らしい鬼でよかったと思う。
見た目も壺とかじゃないし。
『わぁ、昨日ぶりですね!』
「今日も食ってくだろ?」
豪快に笑う姿に釣られたし、そういえば朝から何も食べていなかったので、私は甘味を食べることにした。
やっぱり人間そのものよりも甘いものの方が大好きである。
今日は、お団子が食べたい気分だ。
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むるち(プロフ) - 恋(れん)さん» コメントありがとうございます。童磨は素晴らしいと思います! (2020年1月13日 22時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
恋(れん) - ありがとうです童磨。いいですよね! (2020年1月13日 9時) (レス) id: f613416e65 (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - 極色さん» コメントありがとうございます。お褒めいただき光栄です!これからもよろしくお願いします! (2019年12月22日 0時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
極色(プロフ) - お初にお目にかかります。この小説のテンポがとても好きです!これからも応援しています! (2019年12月22日 0時) (レス) id: 734106404b (このIDを非表示/違反報告)
むるち(プロフ) - 七七四さん» コメントありがとうございます。そう思っていただけて光栄です。七七四様を始め応援してくださる方のおかげでここまで沢山の人に評価してもらえるようになりました。私も嬉しさと感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます! (2019年12月21日 22時) (レス) id: bddfebd16d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:むるち | 作成日時:2019年12月7日 9時