第16章 ページ17
A「その声、フロイ？」
ﾌﾛｲ「あぁ、そうだよ。久しぶりだね。」
久しぶりにフロイの声が聞けたのは嬉しかった。
A「うん、本当に久しぶりね。ところでどうしたの？」
ﾌﾛｲ「君と少し話したいと思ってね、今から会いたいんだ。」
A「うーん、監督が許可を出してくれるかな…」
ﾌﾛｲ「じゃあ監督が許可を出してくれたら会えるってことかい！」
A「うん、まぁ私はOKだから。」
ﾌﾛｲ「なら今すぐに来てくれ！」
私は混乱してしまった。
A「えー！来てくれって、どこに行けばいいの?!」
ﾌﾛｲ「君といつもサッカーをしたところだ。必ず来てくれよ！」
そう言ってフロイは電話を切ってしまった。
A「も〜、フロイいきなりすぎだって…」
けど、行くと言ってしまった以上行くしかない。
A「監督、」
趙「どうしたんですかぁ、Aさん。」
A「私、今からど〜しても行かなくちゃならないところがあるんですけど行ってもいいですか？」
趙「まぁ、ど〜してもってことなら仕方ないですねぇ。いいでしょう行ってもいいですよ。」
A「ありがとうございます。」
趙「ですが、集合時間までには必ず帰ってきてください。」
A「分かりました。必ず戻ってきます。」
趙「はい♪」
私は監督に許可を貰ってフロイが待っているあの場所に向かった。
A「久しぶりだな〜、ここに来るのは。」
フロイと約束した場所は前と変わらず、そのままだった。
ﾌﾛｲ「A〜！」
遠くからフロイが呼ぶ声が聞こえた。
声が聞こえた方を見てみると、フロイがサッカーボールを持ってこちらに手を振っていた。
私はフロイの方に向かって走っていった。
ﾌﾛｲ「久しぶり、A。」
A「えぇ、久しぶりね。」
私はフロイの持っているサッカーボールのことが気になったので、聞いてみた。
A「…ねぇ、なんでサッカーボールを持ってるの？」
ﾌﾛｲ「それは、せっかく君と会えるからサッカーをしながら話したいなと思ってね。」
フロイはそう言うとリフティングを始めた。
ﾌﾛｲ「どうだった？世界一周の旅は、」
フロイは私にそう聞きながらボールをパスした。私はパスしてもらったボールでリフティングをしながら答えた。
A「色々あったわ、その国の子供たちと一緒にサッカーをしたり話したり。けれどやっぱり一番心に残っているのは…身寄りのない子供たちね。」
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作者名：にじいろくまくん | 作成日時：2019年4月2日 20時
