トリカブトの誓い【オリオンの刻印】 (ページ9)

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第8章ページ9

新「ギリカナン様が代表を務めるオリオン財団は、様々な活動を通じて世界サッカー協会をサポートしてきました。そして、今でもサッカー界全体を支える存在と言っても過言ではありません。このパーティーも、世界本選進出を決めた日本代表を祝って開催させていただきました。…しかし、堅苦しい挨拶はこのくらいにして今宵は皆様に……」

私はその後も新条の話を聞いていたが、特に情報は得られなかった。

新条は話終わった後、一星君と話をしながら外のバルコニーへ出ていってしまった。

私は新条と一星君の話を聞こうと思い、二人にバレないところでこっそりと話を聞いた。

新「すっかり日本代表に馴染んでるみたいで安心したよ。」

一「他の失敗した奴らと同じ様に、俺を排除するんですか。」

新「そんなことはしないよ。君のことはすまないと思っている。オリオン財団のやり方には、問題も多いからね。しかし、私は何事にも慎重に行動したいと思っている。その辺は分かってくれたまえ。」

一「…はい。」

私は新条が本当にオリオン財団に従っているのか疑った。

オリオン財団に従っているんだったら、あんなことは言わないと思うからだ。

腕を組みながら考えていると、目の前をサッカーボールが通り過ぎていくのが見えた。

ボールが通り過ぎてきた方を見ると、焦った顔をした吉良君が居た。

このままだとボールの先に居る新条に当たると思っていると、

稲「危ない！」

と稲森君が叫んだ。咄嗟にその声に反応した新条が、飛んでくるボールを空中で片足で止め、手の中に納めた。

新「ありがとう、稲森君。君が声を出していなければ、ボールが来るのに気付かなかったよ。」

稲「いえ…あの、新条さんはもしかして、プロサッカー選手なんですか？」

新「元サッカー選手さ。少しかじった程度だけどね。」

稲「へぇ、すげぇ！」

稲森君は目を輝かせて、新条を見ていた。