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最後の一人
放課後の静かな下駄箱前で
グルッペンを待っていた
暫く生徒会室で待っていたのだが
全く現れなかったのだ
後からRINEに連絡があり
「今日はそっちに行けそうにない」
との事だった為
日持ちしないチョコを渡すために
一人で待つことにしたのだ

困ったものだな
下駄箱に入れておこうと思ったが
見るからに膨らんでいるため
開けたら崩れ落ちるだろう…

寒い中、しばらく待っていると
人影が見えた

gr「……Aか?」

『ハァ……ようやく来たか』

朝のコネシマやロボロの比にならない
大量のチョコを抱えていたのだ
因みに手提げバッグも持参している
毎年恒例と言ったところか

自身の下駄箱を見て
グルッペンは顔を歪めた

gr「まだあるやん……年々増えるな」

『流石としか言えないな』

私も下駄箱へ靴を取りに向かうと
…まさかと思った
ドサドサっと音を立てて
チョコが落ちてきたのだ

『……何故』

gr「クックッ……あははははっ!お前もか!」

『笑い事か…!まったく……私は女だというのに』

綺麗にラッピングされたチョコを拾い上げ
自身の手提げバッグに入れた
……まぁ当分、甘いものに困らないな

するとグルッペンに肩を叩かれ
チーノのように手を差し出された

『…チョコ、欲しいのか?』

gr「当たり前だろ……お前から以外のチョコなんざどうだっていいわ」

『そうか……ほら』

私が渡したチョコを無言で受け取ると
すぐさま箱を開けて、口にした

gr「……ん、やっぱり美味いな」

『知ったような口を聞くな。まぁ口に合うならいい』

gr「やっぱりお前が一番だ」

そう言ったグルッペンは
いつもの悪役のような笑みではない
柔らかな笑みを浮かべ
私の頭をくしゃりと撫でた

『……そうか』

gr「…なんだ、照れたか?」

『いや、喜んでもらえて嬉しかっただけだ』

gr「正直になれよなぁ!……それに少しくらい妬けよ」

『妬くほどお前を好いていない』

gr「まったく……ほら帰るぞ」

そう言ったグルッペンは
空いている方の手で私の手を掴み
そのまま学校を出た

…何故かこの日は
振りほどこうなどと思わず
そのまま帰路についたのだった

ThirtyNine→←〃



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(プロフ) - しおりんさん» 続編に行きますのでそこで書かせてもらいまっす! (2020年3月5日 19時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しおりんさん» ありがとうございます!リクエスト…!大歓迎です!良いですね…書かせていただきます! (2020年3月5日 19時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん - リクエストってOKですか???OKだったら泣いてるところを、見られた的なものを書いてほしいです。 (2020年3月5日 19時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
しおりん - Twitter見たゼ!!!キラーン(*^-^) (2020年3月5日 19時) (レス) id: 527cd6ca75 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アルバートさん» 誰かと一緒にドイツ……いいですねぇ…私もチャンピョン帰りの車で一瞬で読みましたよ!ほんと、もう、tn可愛かった! (2020年1月28日 6時) (レス) id: 72381179a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: x他1人 | 作成日時:2019年10月15日 3時

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