研究施設 Animal Monster． (ページ10)

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traveler　(トラベラー) ページ10

……文章は、ここで途切れている。

僕は、一番左端に表示されている更新日を見てみた。

計5回、更新されていた事が分かる。

それに詳しい時刻……最終更新日は、深夜の午前1時44分39秒だ。

必死に、他の研究員にバレないように書いていたことが分かる…………だが、これは誰に向けての文章なのだろうか。

『これは、誰に向けての………。』

Failure「…貴方に向けてだと思うよ。」

そう、あっさりと答える。

『どうして分かるんですか…？』

Failure「彼はね…Albertは…… タイムトラベラーだからだよ。」

タイムトラベラー……!?

もしかして、この文章……！

彼は、未来を見たから…せめて自分や他の研究員達が居なくなる前に、この事に気が付いていない研究員達に秘密を教えようとしてくれていたんだ…！

Failure「……最後に、Albertは僕にこう言って去っていた………''もしも、俺が見た未来と同じようになったら、その生き残りくんに全てを教えて上げてくれよな。''…って。」

Failureは、少し悲しそうな顔で言う。

Albertと言う人には会ったことが一度もないが、その言葉を言っている時…どんな顔をしていたか分かるような気がする…。

Failure「まだ他にも、このような文章と同じような……内容は違うけれど、その報告書があるよ。」

『なるほど………。』

……僕には、まだまだやるべき事が沢山あるようだ。

まずは、全ての真相を探ろう｡

そして、最終的には……この施設から、全員で脱出……街には行けないから、何処かの世界に行くしかない……。

…僕は辺りを見渡した。

もう、この部屋に来る事は無さそうだ。

Failure「…もう出る？この部屋にあまり長居しない方が良いよ……少しだけ毒ガスが気体に紛れてるから………貴方は20分くらいこの部屋に居る。明日は気を付けてね……？」

''気を付けてね……？''

最後の言葉が引っかかった…。

……体調を崩すとかだろうか。

Failure「あ～……ほ～ら、早く早く…！」

背中を軽く押されながら、Failureと一緒に部屋を出た。

……扉が勢いよく閉まると、瞬時にロックがかかった。

それにしても、相変わらず暗い……。

明かりになるのは、あのクリスタルくらいか……。

Failure「ねぇねぇ、ほら！これ持って、行くよ。」

『え、あ、何処に？』

Failure「その姿じゃ、歩きづらいでしょ…？」

観察力が凄い…。

『まぁ、はい。そうですけど……。』

Failure「だから、研究室に行くよ。」

『な、何の為に…？』

僕は手を引かれながら、Failureと研究室に向かった。