last ope ページ49
晶side
桜も殆ど葉桜に変わり春が終わりを告げる今日。
未知子とAがそれぞれの愛する人と結婚式を挙げる。
式場は医局員が大半なのでカンファレンスの様な雰囲気があるが、皆白衣ではなくスーツを着用しているので少し不思議な感じだ。
私はそんな式場の最前列に博美と座ってヒロイン達の登場を待つ。
今日まで本当にあっという間だった。
父親を亡くしてから私の厳しい修行に必死になってついてきて、いつの間にか私以上のスキルを身に付けていた未知子。
二度の癌に心が折れそうになってもずっと笑顔で(時に悪魔だけれど)紹介所を照らし続けてくれたA。
2人いっぺんに居なくなっちゃうなんて…寂しいじゃない。
私はそんな思いからか込み上げてくる涙を抑えきれずにはいられなかった。
「ちょっと、晶さん。まだ主役は登場していないのよ。」
博美がそう言って私にハンカチを差し出してくれる。
博美には将来私の介護をお願いしようかしら(笑)
10分後
ヒロインがようやくやってきた。
未知子もAも凄く綺麗で幸せそうで…また涙が止まらなかった。
そんな私を見て2人も少し涙ぐんだ。
アンタ達はまだ泣かないでちょうだい。
折角の綺麗な顔が台無しになっちゃうでしょ。
その後式は順調に進行していった。
未知子が肉がきた途端そっちにがっつきそうになっていたけれど加地先生が止めてくれたお陰でどうにかなった。
この人になら未知子を任せられそうね。
加地先生、そして原先生…うちの子達を選んでくれて有難う。
でも大事にしなかったら承知しないわよ。
式も終わり今は帰り道。
もう泣き過ぎて目が痛いぐらい。
これから離れても…
「あ、晶さん！これから加地ちゃんも一緒に紹介所暮らしていいよね？」
「すみません神原さん…お願いできますか？」
「あ、じゃあ私達も！守さん、いいよね？」
「勿論、神原さんさえ良ければ。」
あら、今日私が流した涙は何だったのかしら。
でもいいわ。
私が皆をいっぺんに面倒見てあげる。
…その代わりしっかり稼ぎなさいよ？
こうして神原名医紹介所には新たなメンバーが加わり、ドタバタしながもいつまでも楽しく暮らすのだった。
群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、専門医のライセンスと叩き上げのスキルだけが彼女の武器だ。
外科医、大門未知子。またの名を、ドクター X。
今回はそんな大門未知子と一人の少女が成長するまでの話、そして彼女等が幸せを掴むまでの話である。
The end.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 63人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：espoir･affettuoso x他1人 | 作成日時：2017年3月16日 17時
