ope.93 ページ47
Aside
あれから数日後…
「守さん、ここの式場は？」
「うん、ここなら海も見えるし華やかだしいいね！」
私達は結婚式の予定を着々と立てている。
そんな私たち2人は幸せいっぱいで…周りからも羨望の目で見られているのがわかる。
「いいわねぇ、お2人さんは幸せそうで。」
晶さんはニヤニヤ笑いながらそう言って、肉じゃがを出してくれた。
近々晶さんに料理を教えてもらわないと(苦笑)
「それにしても…あそこ2人はなんであんなに喧嘩してるのよ。」
城之内先生が呆れ顔で言う。
そう、今奥の居間で大門先生と加地先生が大きな声で何やら言い合いをしているのだ。
「あの〜、大門先生と加地先生はどうして言い合いを…？」
私が遠慮がちに2人に尋ねると
「だって！加地ちゃんが式挙げるって言うんだよ？その式の時間があればオペ2本は出来るのに。」
「だから土、日に挙げればいいだろ。俺はその日有給取ればいいし。」
「そもそもなんでそんなに式を挙げたいわけ？」
「お前は悪魔だからそんなの要らねぇだろうけど人間には必要なの。」
「はぁ〜？？？」
理由を教えてくれた。
うーん、大きなお世話かもしれないけれど一生に一度の事だから2人に式は挙げてほしいなぁ…あ、そうだ！
「じゃあ私達と一緒に挙げませんか？それなら絶対楽しいしオペも1日だけなら開けても大丈夫ですよね？守さん。」
我ながら妙案だと思う。
最後に守さんに話を振ったのは今感情的になっている加地先生や大門先生には何を言ってもあまり意味が無いと悟ったからだ。
「うん、今は大分下も育ってるから緊急オペもどうにか回せるし…1日だけなら全然大丈夫だよ。僕もAさんの意見に賛成だな。」
守さん…有難う。
「わかった。オペ出来ないのは嫌だけど美味しいお肉食べれるんでしょ？じゃあいいよ。」
私と守さんのお陰かはわからないけれど、大門先生は渋々式を挙げる事を了承してくれた。
「加地先生、気をつけてくださいね。大門さんみたいなタイプは生活共にしたらどんどん厚かましくなるんだから。」
不貞腐れた大門先生の横顔を見ながら楽しそうに城之内先生が言う。
大門先生の自由過ぎる発言も、加地先生の少し意地悪な言葉も、城之内先生の毒舌も、晶さんの母っぷりも、そして守さんの誠実さも…全部全部いつも通りで愛おしい。
今の幸せがいつまでもいつまでも続くといいな。
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作者名：espoir･affettuoso x他1人 | 作成日時：2017年3月16日 17時
