ope.64 ページ16
舞side
楽しかった二週間はあっという間に終わって今Aちゃんと空港に向かっている。
ママが「送るよ」って言ってくれたけど今日もオペが入っていることはわかってるしあんまり迷惑ばかりかけてもいられないから、少し寂しいけれどママには「大丈夫」って断ってAちゃんに空港まで連れてってもらうことにしたんだ。
それにしても…Aちゃんが加わった紹介所は賑やかで温かくて楽しかったなぁ。
やっぱりこれが私にとっての『家族』だって思って…そう思っちゃうとこの繋いでいる手を離すのが凄く凄く寂しい。
「着いたよ。」
Aちゃんのその声で我に返る。
いつの間にか空港に着いていたみたい。
もうお別れか。
次はいつ会えるんだろう。
そんな事を考えていると涙が勝手に溢れてきた。
「Aちゃん…寂しいよ。」
あぁ、甘えるつもりなんてなかったのに。
笑ってバイバイするつもりだったのに。
私が感情をコントロール出来ずに泣きじゃくっているとふわりといい匂いに包まれた。
Aちゃんが私を抱き締めてくれたんだ。
Aちゃんは私を抱き締めながら
「舞ちゃん。私もね、すっごく寂しいよ。でも舞ちゃんはプリマを目指すんでしょ？だったらもう泣かないの。」
ってあの柔らかい口調で言ってくれた。
気がついたら私の涙は止まっていた。
もう直ぐ飛行機が来る。
行かないと。
「そうだね、泣いてもいられないね。じゃあね、Aちゃん！次会う時にはマイケルと付き合ってるかもしれないから。」
私は笑顔でそう言ってAちゃんと別れ、飛行機を目指して人混みの中に入っていく。
もう振り返らないよ。
だって私はプリマになるんだもん。
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作者名：espoir･affettuoso x他1人 | 作成日時：2017年3月16日 17時
