23【逆襲】 ページ23
出久が帰った後暫くリカバリーガールの手伝いや、此処での仕事などを考えて貰って雄英に入って初の業務が終了した。
職員室に戻り、帰りの支度をしていればポンと肩を叩かれ振り向けば、良い笑顔のミッドナイトが立っていた。
「ちょっと面かしなさいよ。拒否権は無いわよ」
「言い方」
ヒーローとは思えない台詞に近くに居たブラドがツッコミを入れていたが、気にした様子も無いミッドナイトは元気に拳を掲げながら高らかに叫んだ。
「さぁー！準備が出来たら行くわよ〜！」
「あの、何処に？」
「そんなの何時もの場所に決まってるでしょ！」
Aの目の前には行き慣れた居酒屋が建っていた。
「確かに何時もの場所ですね。何故急に？しかもこんな大勢で…」
何時もだったらミッドナイトやマイク、相澤の四人で来るのだが、今回は雄英の教師陣が勢揃いしていてマスコミや出久が喜びそうな感じになっている。
「何言ってんの！貴女の歓迎会なんだから当たり前でしょ？さぁ、予約してあるんだから、入った入った！」
真逆自分の為だったとは思ってもみなかったAが立ち尽くしていればポスッと頭に何かが乗った。
何だと其れに触ろうと手を伸ばせば、ワシャッと一撫でされたのでそれが誰かの手である事が分かった。
「ほら、ぼさっとしてねぇで行くぞ。時間は有限」
その店主は相澤で、のそのそと入口へ入って行く姿を目で追って居れば、今回も相澤に送って貰っちゃうかー？とマイクが何時の間にか隣でニヤニヤと笑っている。
…少し揶揄ってしまおう。
「…今日はひざしさんが送ってくれますか？」
目を細めながらそっとマイクの頬に手を添えてそう言うと、目を見開いてピシリと固まってしまった。
その様子を見て悪戯に笑い、冗談ですよと小さく舌を出して入口へ向かった。
マイクを黙らせる事が出来たAは上機嫌で入店し、その後に珍しく静かに入って来たマイクにミッドナイトが目を光らせて絡みに行ったのを見て、満足そうに微笑んだ。
それから各々の席に着けば飲み物を待たされ、何時の間にか復活したマイクの掛け声によってAの歓迎会が幕を開けた。
目の前に有る豪華な食事やお酒を堪能しながら、改めてよろしくお願いしますと挨拶し、先生方との会話を弾ませた。
暫くして辺りを見渡せば、出来上がってる人や寝落ち寸前の人、最早爆睡してる人が出て来た。
Aも量は飲めないが、意識が少しふわついて来たのを感じてお酒を飲む手を止めて一息吐いた。
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続く (更新停止中)
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作者名：カピバラ | 作成日時：2022年2月6日 11時
