21【秘事】 ページ21
皆に見送られ校舎内へ戻ったは良いのだが、保健室が分からず相澤に教えて貰った事を思い出しながら感を頼りに歩き回るも全く着かない。
何故辿り着かないのかとそろそろ泣きそうになっていれば、目の前から出久が歩いて来たのが見えた。
「出久ーっ！」
「はぇっ！？Aち…先生！先に保健室行ったのでは？此処保健室とは真逆ですよ！？」
それが…と説明をすれば苦笑いをされてしまった。
それから出久が指を治してもらう為に行かなきゃ行けないと言うので、一緒に向かう事になった。
暫く歩いて居れば、真逆此処でAちゃんに会えるとは思わなかったよと呟いた。
出久や勝己とは高校入学以降は忙しく全く会えておらず、当時小さかった彼等との連絡手段が無かった事もあって今に至る。
そしてA自身も、雄英でしかも生徒として出久達と再開するとは思って無かったと伝えた。
保健室に到着し中へ入ると、リカバリーガールがいくら待っても来ないから心配したよと言ってきた。
遅くなった事を謝罪して如何しても迷ってしまう事を伝えれば、その方向音痴は私には治せないよと言われてしまった。
「また君かい。今回は如何したんだい？」
「あ！あの、相澤先生に怪我を診てもらう様に言われて来ました」
出久はそう言うと一枚の紙をリカバリーガールに差し出す。
その紙を受け取り、怪我を診せてご覧と差し出された手を診て、此れは酷いねと顔を顰めた。
「そうさね、それじゃあ早速Aに仕事をしてもらおうかね」
「分かりました。さぁ出久、手を出して」
お願いしますと手を差し出す出久にニコリと笑い、その手にそっと己の手を重ねた。
ヒュッと息を呑む声が聞こえて顔を上げれば、真っ赤な顔をしてぎゅうと瞳を瞑っていて、痛かったのかと焦ればぶんぶんと吹き飛びそうな程首を振って否定した。
「痛かったら言ってね。じゃあ治すよ」
そう伝えて個性を発動させると、あっという間に腫れ上がった指が治っていた。
「終わったよ、まだ痛い？」
スリリと指を撫でて聞けば、口をパクパクとさせた出久がボソリと呟いた。
「天使ちゃん…？」
真逆出久の口からもその言葉を聞くと思わなかったAはピシリと固まってしまった。
Aの反応を見た出久は興奮気味に独り言を呟き始めた。
「おや、やっぱり天使ちゃんはあんたの事だったのかい」
リカバリーガールの一言に、これは一回彼に連絡しなくちゃ駄目か？と頭を抱え、出久に何処で其れを知ったのかと問い掛けた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：カピバラ | 作成日時：2022年2月6日 11時
