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マイクの発言に何の事を言っているのかと首を傾げていれば、目を光らせたミッドナイトが面白そうな話をしているじゃないのと寄って来た。
「いやね？この間俺とコイツとイレイザーで飲みに行ったわけですよ！そしたらイレイザーの奴、例の噂の相手に嫉妬してAにキs…ギャッ！？」
話してる途中にシュッとどこからとも無く飛んで来た捕縛布がマイクに一瞬で巻き付いた。
捕縛布が飛んで来た方に目を向ければ、髪を逆立てて個性使い睨みを効かせる相澤が居て、此方は特に何もしていないのにも関わらずビクリと身体が跳ね、咄嗟に近くに居たミッドナイトの背後に身を隠し、何故隠れたんだと自分の行動に疑問を持った。
「これから入試で忙しくなるってのにお喋りしてる暇はねぇぞ、マイク。合理性に欠ける」
簀巻き状態のマイクを引き摺りながら、行くぞと言って去って行く相澤と一瞬目が合った気がして心臓が強く鼓動した。
相澤の後ろ姿と問答無用で引き摺られているマイクを眺めてると視線を感じ見上げれば、ニンマリと笑い此方を見ているミッドナイトと目が合った。
嫌な予感しかしないとそう悟った瞬間、振り向いた彼女にガシリと両肩を掴まれた。
「あー…と、私そろそろ行かなくちゃ」
「此れが終わったら暇かしら？暇よね？飲みに行きましょ！明日も休みって言ってたものね！？」
息を荒げながら興奮気味に食い付いてきたミッドナイトに、予定を話すんじゃ無かったと過去の自分を呪った。
こうなったらもう逃げられないと諦めてはいと頷けば、色々聞かせて貰うわよー！とオモチャを与えられた子供の様に楽しそうに声を上げた。
「リカバリーガール、今日は宜しくお願いします」
「はいよ、宜しくね。此れから忙しくなるよ、ほらグミをお食べ」
Aとリカバリーガールは、沢山のモニターが設置されている部屋で試験が始まるまで待機している。
時計の長針が天辺を差した瞬間、教師陣の掛け声が聴こえると共に、受験生達が一斉に走り出したのがモニターに映し出された。
その画面の一つに見覚えの有るクリーム色の髪を持つ男子生徒が映っており、物凄いスピードでロボを破壊しているのを見つけた。
やっぱり来たと画面に映し出される爆豪を観て微笑んだ。
小さな頃とは比べ物にならない程の圧倒的な動きに感心していると、近くのモニターにもう一人見覚えの有る緑髪で癖っ毛の男子生徒を見つけたが、ピタリと立ち止まって動く気配は無く、目の前にはロボが迫っていた。
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作者名：カピバラ | 作成日時：2022年2月6日 11時
