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腹も満たされた三人は特に行く頭なく街をぶらりと歩いていれば、Aは一瞬チラリと路地に連れ去られる女性が視界の端に入り直様其方に足を向けた。
「は、離してっ！やぁっ！」
「おら！静かにしやがれ！」
「悪い様にはしねぇよ、気持ちよくなるだけだ」
嫌がる女性を二人がかりで拘束し壁に押し付けていた男達に声を掛けた。
「彼女、嫌がってますよ？嫌がる事はしてはいけない、親に教わりませんでしたか？」
その一言が逆鱗に触れたのか男達は凄い形相で声のする方を向けば、Aがにこりと笑って立っていた。
そんなAを見た瞬間、男達はヒソヒソと話し始めればイヤらしい笑い方をし、それならお前が代わりに相手してくれよ、と言い出した。
Aは女性を離す事を条件に了承した。
解放された女性は恐怖からかその場に座り込み怯えていて、Aは女性に近づくと羽織をそっと女性に掛け、此処は私に任せて急いで此処から離れて、立てますか？と伝えれば、コクコクと頷いてよろよろと立ち去って行った。
Aがその姿を見届けていれば、ガシリと肩を掴まれた。
「俺達とお楽しみの時間だぞ、兄ちゃん」
「女を逃してやったんだ、其れなりの見返りが有っても良いよなぁ？」
1人の男はAの顎を掴み上げ舌舐めずりをしていて、もう一人は背後に回ってAの両腕を掴み拘束した。
「そうだなぁ、先ずはあの女の代わりにその小さな口で慰めてくれや」
男は親指をAの唇の感触を愉しむ様に触れれば、微かに呼吸を荒げ始めた。
背後の男はAを跪かせようと力を込めたが、ピクリとも動かないAに焦り始めた。
「おい何チンタラしてんだ、早くしろ」
「此奴、びくともしねぇんだ！」
「そりゃそうだ、其奴は其処らの男達より派手に強えんだからよ」
「A！何も言わずに何処かに行くな！心配するではないか！」
突然現れた図体のでかい大男と目力の強い男にビクリと固まる男達。
Aは身体が先に動いてしまって…としゅんとして謝罪を述べた。
流石柱なだけあり、二人の圧に一般の人間が耐えられる訳もなく足を纏れさせながら逃げ出してしまった。
解放されたAは少し乱れた着流しを整えてていれば、ガシリと杏寿郎に両肩を掴まれた。
「何もされて無いか！？」
「大丈夫ですよ、助けて頂き有難う御座…いっ！？」
杏寿郎はいきなりゴシゴシとAの口元を袖口で擦りだし、痛さにぎゅうと眼を瞑り我慢していれば、宇髄が止めに入った。
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作者名：カピバラ | 作成日時：2021年2月20日 9時
