あの７人って。

2 ページ35

〆．



「A、おはよ」



「神山くん、おはよう」



クラスメートの神山智洋くん。



なかなか人に話しかけられず、完全に友達作りに失敗した私に、唯一声をかけてくれた。



「今日はポニーテールやねんな？」



「うん、神山くんが似合いそうって言ってくれたから、してみたの。どうかな」



「よお似合ってんで、可愛ええ」



神山くんはにっこり笑う。



「えへへ……ありがとう」



「うん、ほんまに可愛ええよ。



(今日も朝から癒されるわ。いつも一番に登校しててえらいなぁ、早起きできる健康的な子ほんま好き。しかもその朝の時間に、俺が似合うかも言うたからポニーテールしてくれたんやろ？もはや俺のためやろ？そんなんされて惚れんやつおる？おらんやろ？いやもうその照れた顔よ。そんなん見せられたら我慢できひんやんか。なあ？あーもうあかんわ、襲いたい。めっちゃ抱きたい。恥ずかしいとこ見つめて照れさせたい。弱いとこいじめたい)」



「……………？」



神山くんは私と話す時、小声で何かをブツブツ言うんだけど聞き取れたためしがない。



ちょっと腰も動いてるし……どうしたのか心配になるけど、神山くん自身は落ち着いてるから気にしないことにしてる。



「宿題してきた？今日は多いから大変やんなぁ」



「うん、頑張って終わらせたよ」



「お、さっすが！頭撫でたる」



「わあ、ありがとう。……んふふ、きもちい」



「はは、良かったわぁ。



(はいもう襲うー。家連れ込むー。一回じゃ終わりません。だってもう全てが可愛ええし全てが愛しいし。頑張って終わらせたよ、やで？ノートに向き合ってるA想像するだけで3回は抜ける。んで髪のふわふわ感な？めっちゃシャンプーのええ匂いするし食べたいわ、髪食べたいわ。撫でて目ぇ細めるとか、無防備にもほどがあんねんけど。とりあえずキスしていいよの合図ってことはわかった。はい、神山智洋いきまーす)」



「……神山くん？」



「おっ……と。ん？どした？



(惜しかった……)」



「ちょっと息が荒くなってる……しんどい？保健室行く？」



「………心配してくれてありがとうな？俺は大丈夫やで？もうこれ手ぇ出してもても俺悪くないやんな？」



「へ？」



〆．

3→←かみやまともひろ、変態度☆☆☆

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す