なんででしょう？【青葉城西】3巻

70話目 ページ7

「大きいお風呂気持ちいいね」

そういってくるのは潔子さん。
あの後国見がミーティングに呼ばれ、その代わりとして手伝ってくれていたのだ。

「久しぶりに入りました、こんなお風呂」

「私もです！！」

仁花ちゃんの大きな声はお風呂場だと全体に響く。
それに気が付いたのかごめんなさい、と小さく謝った。

「あ、私からだ洗ってから入りますね」

そういってシャワーへ向かうと
「お背中失礼します」
と背中を流してくれる。

なぜかやりなれている感があってこらえきれずに笑ってしまった。

「えっ」

と驚いて声をだす仁花ちゃんに「大丈夫だよ」と言ってやんわり断る。

「いえしかし！！」

とどこの時代の人だよ、とつっこみたくなるような話し方をしていてまた笑いそうになったが今度はこらえた。

「二人とも仲いいね」

潔子さんが笑いながら言ってくる。
本当にお美しいというかなんというか。

「潔子さんにやってあげたら？」

そういって仁花ちゃんを潔子さんのほうへ押す。

「大丈夫だから仁花ちゃんも自分の体洗いな」

とやんわり断っている姿を見て、断りなれている感があってやっぱり告白とかたくさんされてるのかなぁなんて思った。

「そういえば仁花ちゃん日向とはどう？」

潔子さんがそんな故意に植えた発言をしてきて思わず「え」と声が漏れる。

それは仁花ちゃんも一緒なようで少し大きめな声で「えぇ？！」とリアクションしていた。

「私よりA先輩と国見君のほうがいい感じですよ！！」

「国見とはそんなんじゃないからね」

反射的に出てしまったその言葉にしまったと思う。

少し反応が早すぎた。
これでは意識しているみたいだ。

「そっかぁ」

しかし潔子さんたちはそこまで鋭くなかったようですぐにその話は終わった。

「それより潔子さんはどうなんですか？
潔子さんのほうがそう言いう話たくさん持ってそうですけど」

潔子さんに話を振ると

「私なんてそんなにないよ？」

と言われた。
しかし、このままだとまた話が戻る可能性があるのでもう少し食い下がる。

「そんなに美人なら恋の悩みなんてないですか？」

そう笑いながら言うと「そうだね…ってそうんなわけないじゃん」とかわいく返してくれる。

西谷さんたちとかどうなんですか？

仁花ちゃんもこの話題に乗ってきてしばらくは潔子さんの恋愛に関しての話題で持ちこせそうだ。

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