100話目 ページ40
Side Oikawa
高速道路に差し掛かったあたりで隣の彼女の首が揺れた。
かくかくと動いていてもう少し前に倒れれば前の座席についている手すりにぶつかってしまいそうで、注意深く見ていないと。と考える。
肩をたたいて起こそうにも昨日までの合宿の疲れがたまっていると思うと良心が痛む。
すると前の席がなんの前触れもなく倒れてきて「ふざけんな」と心の片隅で考えている余裕もなく、となりの彼女の肩をこちら側に抱き寄せた。
この前の席は確かマッキー達だったかな、なんて考えながら彼女の肩から手を離す。
隣の席の国見ちゃんからの視線が突き刺さるどころではないが不可抗力である。
こいつはそんなことも知らないですやすやと幸せそうに眠っている訳だが。
「まぁいっか」
だれに対してでもなくつぶやいた後、俺も目を瞑った。
気が付いたら宮城だった。
それもそろそろ学校につくかつかないかくらいの道で、もう少し遅かったら国見ちゃんに殺されていたかもしれないとおもうと背筋が凍る。
「おい」
となりの奴に対して声をかけるがよほど深い眠りなのか起きる気配がない。
「そろそろ着くぞ、起きとけ」
そういって肩を叩いて初めて
「ん、」と声を発した。
「おいかわさん。」
「なに、よーく寝てたみたいだけど。」
「かた、ありがとうございました」
寝起きで頭の回っていないであろう彼女に言われるお礼はほんの少しだけ照れ臭かった。
454人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いちか(プロフ) - 及川さんとの絡みが好きすぎます! (2021年8月24日 2時) (レス) id: 04ec5ad602 (このIDを非表示/違反報告)
白夜のダンテ(プロフ) - 割と素直なぬこさん» ありがとうございます。新作の件、参考にさせていただきます。木兎さんとの絡み…できる範囲でやりたいと思います。コメントありがとうございました。 (2021年6月24日 20時) (レス) id: 78c0d6e1f2 (このIDを非表示/違反報告)
割と素直なぬこ - 連続でコメント失礼します。新作どれも面白そうなのですが、せんぱい!をけんまで見たい!私の推しが木兎サンなので本編で絡みもっと欲しい!図々しくすみません…… (2021年6月23日 22時) (レス) id: 146f38e7d4 (このIDを非表示/違反報告)
白夜のダンテ(プロフ) - 割と素直なぬこさん» ありがとうございます! (2021年5月18日 20時) (レス) id: 78c0d6e1f2 (このIDを非表示/違反報告)
割と素直なぬこ - 続編おめでとう!!頑張ってください! (2021年5月18日 6時) (レス) id: 348a770f9e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:紫苑 | 作成日時:2021年5月16日 21時